みなさん、こんにちは。
先月に続いて、今月もたくさんの方にご訪問いただいていたみたいで、
いかん、まじめな記事も頑張って書かなければと、ちょっと焦っております。
さて今回ご紹介するのは
清水 亮(著)『教養としての生成AI』(幻冬舎新書, 2023,¥940+税)
私は本を読む前に、たいてい著者のプロフィールをチェックしてから
読むことが多いのですが、今回は急いでいた上に本書でも
自己紹介のような下りがあったので、最後にプロフィールを
チェックすればいいかなと思って飛ばしました。
本書によると、著者はプログラマーでいくつかの大学に籍を置き
20年間にわたって会社を経営し、2022年に最後の会社を退社
その後Uber Eats配達員やクラウドワークスでのアルバイト
Youtuber、ブログ、noteなどでライターとしても活動
(本書p.14)
と書かれていたので、え?なになに?もしかして自由人ってことですか?
と失礼ながら思って、コンピューターに詳しい方が書いたのかな?
と思って読み始めました。
読み進めるにつれて、とてもわかりやすい文章で、専門用語も使いながらも
初学者でもわかりやすく導いてくれます。
途中でうちの相方が、この本は生成AIがオープンになってすぐに出た本なんだと
教えてくれました。
へー、そういわれると確かに生成AIが普及する前からよくご存じだったような
文章だなと思いました。
人工知能の歴史についても、造詣が深いようですし、
え?大学に在籍って、もしかして研究者ってことですか?
文章も非常にバランスよく書かれていて、生成AIの利点も弱点や危惧すべき点など
わかりやすく明確に指摘されています。包括的に書かれているという印象です。
本書の中で、なるほどと思ったのが「錯覚」と「バイアス」。
この著者は、コンピュータだけでなく人間のこともよくわかっていらっしゃる。
そして、本書の終盤に差し掛かって、ん?この著者、ただものじゃないんじゃないか?
なんだかすごい能力の持ち主のような気がするんだけど。
気になって、ネットで色々調べてみました。
やはり「天才」という言葉が出てきますね。
ブログやnoteもちらっと見ましたが、気になりますね。
そこで初めて表紙裏のプロフィールを見る。
何?マイクロソフトで上級エンジニアとして活動していたと。
現在「トヨタ、東大、スーパーコンピューター開発の
最先端研究者」という紹介が書かれていました。
はあ、なるほど。この本の価値は、内容のわかりやすさ、奥深さ
内容の濃さだけではなく、「清水 亮」 氏が執筆した本ということこそ
価値がある本だと言えるのではないでしょうか。
うちの相方曰く、あとから「Chat GPT」の本がどんどん出てきたから
こういう本が埋もれていってしまうんだろうなと。
いやいや、埋もれてはいけないのではないか。
素人の私が声を大きくしたところで、説得力も何もないのですが
確かにこの本は生成AIを知るための一冊目にお勧めかもしれません。
第一線の研究者、開発者が生成AIをどう見ているか、
どんな可能性がありどんな問題点があると認識しているのか
本人の言葉で語られていることが貴重だと思います。
うちの相方曰く、この分野で読むべき本は
東京大学の松尾豊先生と岡之原大介氏の著書だと。
加えて清水亮氏の著書もそうなのでしょう。
さあ、読み終えて、これからどう生成AIを使おうかと考えています。
親切にも、本書の最後にどのようにして、生成AIと共著で本書を執筆
したのか、その種明かしをして頂けます。
結論から申しますと、型取りは生成AIがある程度してくれて、
出来上がったときには生成AIの作った型はすっかり外されている
といった感じでしょうか。
でも型取りすれば、スピードもアップしますし。
なるほど、なるほど。
まずは生成AIの注意点を確認したうえで、少しづつ慣れていく
のがよいかもしれませんね。
本書の中で、たくみにプロンプトが使われていますが
私も一度使ってみたことがありますが、プロンプトって
結構難しいですよね。
そういう意味では、退化する思考の部分もあり、プロンプトを
考える思考はより進化するのかもしれません。
清水氏の今後の執筆活動にも要チェックですね。
それでは次回は、お待たせしました『ホモ・モーベンス」
入手が難しいかもしれませんが、黒川紀章氏の
他の著書もいいかもしれませんね。
それでは、また。