「イノベーションという言葉は、主として技術的な変化に対して用いられることが
多いが、新しい仕組みへの脱皮という面では、社会的事象にもイノベーション
という概念が当てはまる。社会構造や社会秩序への革新である。
その基礎となるのは、社会の中に埋め込まれている人間的な関係性と
それまでの機能分担関係が個人や組織の境界(バウンダリー)を
超えて変化していく動態性である」(『共感が未来をつくる』p.1)
ますます拡大する貧富の格差、環境破壊。
「資本主義」が抱える様々な社会課題に対して、私たちは何ができるのでしょうか?
二宮尊徳、渋沢栄一、松下幸之助。
彼らは、「日本流資本主義」を実践した偉大なる人物だと思います。
それは、「徳」と「得」を両立させたということ。
今回ご紹介するのは
野中 郁次郎(編著)『共感が未来をつくる- ソーシャルイノベーションの実践知』
(千倉書房, 2022 ,¥2,700+税)
本書は、ソーシャル・イノベーションの「実践知」をテーマにして、
その具体的事例を紹介しています。
本書の言葉を借りるならば、それは「出会いの場」を創り出すことで、
様々な立場の人々が交流し、「知」が交じり合うプロセスです。
この動的なプロセスが「イノベーション」を育みます。
野中教授の動画(前回の記事に記載)を見てわかったことは、
人々が(時に産官学民が)真剣にぶつかり合って、暗黙知が交じり合う
その動的プロセスを通じてイノベーションが生まれるということ。
そして、本書を読んで改めてわかったことは、「ソーシャル・イノベーション」の
主役は「人」であり、課題もやはり「人」だということ。
これは最も難解な課題ではありませんか。
果たして、この問題に解はあるのか?
私はあると信じています。
もしかすると、それは先人たちが教えてくれたことではないかと。
「徳」と「得」を両立させることではないだろうかと。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
次回は、イノベーション編「技術と哲学」をテーマにした本を紹介したいと
思います。
ソーシャル・イノベーション編の方は、再び「食」と「農」をテーマにした
本を紹介したいと思います。
それでは、よい週末を!