<日本の美>

みなさん、こんばんは。

一日の終わりに、ゆったりと音楽(なぜかJAZZ)を聞きながら本書を読んでいると、

無性に日本茶が欲しくなります。熱々のお茶を入れて口にするものの、少し物足りません。

飲みやすくて美味しいのですが、私好みの味ではない。

せっかく相方が出張から買ってきてくれたお茶。でも、私はもっと渋みの効いた濃い

お茶が好き。

私の祖父は、お茶の師範でもあったので、幼い頃よくお茶会に呼ばれていました。

お茶会は、とても長くて退屈で足がしびれるのですが、お目当てはめったに口にできない茶菓子。

茶釜でお湯を沸かして、ゆったりとした動作が続く沈黙の時間に耐えて、ようやく

お目当ての茶菓子にご対面。

その前に、とても苦い煎茶を飲まなければなりません。子どもの舌には薬のようなもの。

苦みを緩和するために、茶菓子を一気に食べてしまうと、はしたないとたしなめられる。

そんなやり取りを、思い出しました。

宮元健次 (著)『日本の美意識』(光文社, 2008年, ¥7,80+税)

【中古】 日本の美意識 / 宮元 健次 / 光文社 [新書]【メール便送料無料】【あす楽対応】
価格:556円(税込、送料別) (2023/8/21時点) 楽天で購入

あくまでも個人の感想ですが、「実にいい!」素晴らしい本だと思いました。

なぜ、イノベーションから「日本の美意識」?

ジョブズ氏も、日本の文化に関心を持ち、日本のアートをコレクションしました。

「デザイン思考」も「ジョブ理論」も、読んでいるうちに、日本の「おもてなし文化」に

どこか似ているような気がするのです。

私たちは、海外の文化を積極的に取り入れる一方で、自国の文化や伝統にいつの間にか

感心が薄れていきました。

本書は、日本の美意識の変遷について解説しています。

この種の本は、きっと著者の視点によって異なるのかもしれませんね。

神教・仏教、和歌、茶道、はたまた建築・庭など、様々な角度から、とても深い考察が

されているように思います。

そして、日本人が「美意識」を見失った背景についても。

今まで、なんとなく抱いていた日本の美のイメージが、具体的に、いえ正しく知ることができた気がします。

日本人の美意識のルーツを知ることで霧がかった景色が、少し晴れたような気がします。

私たちの中に、きっと答えがある。そんな気がしてなりません。

一気に読んでしまったのですが、また時間ができたら改めてゆっくり読み直したい本です。

年齢を重ねるにつれて、この本に書かれている意味が、より一層よくわかるような気がします。

さて次回は、久々の「デザイン」です。

よかったら、次回もお立ち寄りください。

それでは、また。

カテゴリー: センス, マインド, 問題解決 パーマリンク