みなさん、こんばんは。
一日の終わりに、ゆったりと音楽(なぜかJAZZ)を聞きながら本書を読んでいると、
無性に日本茶が欲しくなります。熱々のお茶を入れて口にするものの、少し物足りません。
飲みやすくて美味しいのですが、私好みの味ではない。
せっかく相方が出張から買ってきてくれたお茶。でも、私はもっと渋みの効いた濃い
お茶が好き。
私の祖父は、お茶の師範でもあったので、幼い頃よくお茶会に呼ばれていました。
お茶会は、とても長くて退屈で足がしびれるのですが、お目当てはめったに口にできない茶菓子。
茶釜でお湯を沸かして、ゆったりとした動作が続く沈黙の時間に耐えて、ようやく
お目当ての茶菓子にご対面。
その前に、とても苦い煎茶を飲まなければなりません。子どもの舌には薬のようなもの。
苦みを緩和するために、茶菓子を一気に食べてしまうと、はしたないとたしなめられる。
そんなやり取りを、思い出しました。
宮元健次 (著)『日本の美意識』(光文社, 2008年, ¥7,80+税)
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あくまでも個人の感想ですが、「実にいい!」素晴らしい本だと思いました。
なぜ、イノベーションから「日本の美意識」?
ジョブズ氏も、日本の文化に関心を持ち、日本のアートをコレクションしました。
「デザイン思考」も「ジョブ理論」も、読んでいるうちに、日本の「おもてなし文化」に
どこか似ているような気がするのです。
私たちは、海外の文化を積極的に取り入れる一方で、自国の文化や伝統にいつの間にか
感心が薄れていきました。
本書は、日本の美意識の変遷について解説しています。
この種の本は、きっと著者の視点によって異なるのかもしれませんね。
神教・仏教、和歌、茶道、はたまた建築・庭など、様々な角度から、とても深い考察が
されているように思います。
そして、日本人が「美意識」を見失った背景についても。
今まで、なんとなく抱いていた日本の美のイメージが、具体的に、いえ正しく知ることができた気がします。
日本人の美意識のルーツを知ることで霧がかった景色が、少し晴れたような気がします。
私たちの中に、きっと答えがある。そんな気がしてなりません。
一気に読んでしまったのですが、また時間ができたら改めてゆっくり読み直したい本です。
年齢を重ねるにつれて、この本に書かれている意味が、より一層よくわかるような気がします。
さて次回は、久々の「デザイン」です。
よかったら、次回もお立ち寄りください。
それでは、また。