<イノベーション>知識創造企業-後編

みなさん、こんにちは。

ご訪問頂き、ありがとうございます。

少し前のことですが、「「潜在意識」について、イラストを探しているんだけど、

何かいいアイデアはない?たいてい「氷山」のイラストが出てくるから、それだと

ありきたりだし。」と相談を受けました。

「じゃあ、木のイラストにしたら。根っこの部分が潜在意識ってことで」と答えると、

面白いアイデアだねと言ってくれました。結局は、アプローチを変えたので、この案は却下されたのですが、散歩中に木を見ることが多いので、このアイデアが自然と浮かびました。

ところが、最近になって、果たして潜在意識は「根っこ」だけだったのだろうか?いや違う。それだけじゃないことに気が付きました。

話は変わりますが、皆さん園芸はお好きですか?花や野菜や果物などを育てた経験はおありでしょうか?

私も、数年前にトライしたことがあります。本当は、すごく苦手で正直めんどうくさいなと

思ったのですが、子どもたちの食育のために頑張ることにしました。

ある年は、キュウリを。またある年はイチゴを。

結果はと言うと、一応それらしい形のものは何とか実りました。

喜んで写真を撮ったのですが、いざ食べてみると、なんとも言えない味。

なんだ?これは!とても食べられたものではありませんでした。

園芸の得意な友人や父に告げると、それは「土」がよくないからではないかと。

もしくは「肥料」かと。

え、土って、ホームセンターで買ってきた土をそのまま使ったんだけどダメなの?

種をまいて、水やりさえすればいいんじゃないの?イチゴの場合は、人工授粉をしましたが。

園芸は実に奥が深い。

木もおそらく同じなのでしょう。木の隠れた部分、いわゆる「潜在意識」に相当する部分は、根っこだけではなく、地中の土やバクテリアなどの生き物そういったものの相互作用があるのではないかと。

前置きはこのくらいにして、本題に入りましょう。

この投稿までに、相当時間がかかってしまったので、すでに本書を手に取り

読み終えた読者の方もいらっしゃるかもしれませんし、あらすじなどを読んで

だいたいの内容を把握されている方もいらっしゃるかもしれません。

ここで、あえて私のへたくそな要約を書いても全く意味はありませんので、

今回は、総評というか私が本書を読んで感じたこと、イメージしたこと、これまで

イノベーションの本を読んできた中で、本書の位置づけについて私見を書かせていただきたいと思います。

勘違いや誤解、思い込みもあるかもしれませんが、一読者としての感想として寛容に

読んでいただければ幸いです。

前置きで、園芸と土の話をしましたが、本書を読み進めていくうちにこのことがイメージとして浮かんできて、繋がりました。

これまでご紹介してきた本は、私なりの解釈でいうと、いかに消費者に喜ばれる花や野菜や

果物を作るか、いわば地表に現れる成果物について書かれていたように感じました。

そのための種子の選別、配合、掛け合わせをどうするか?

クリステンセン教授が、なぜイノベーションが予測可能であるはずだと主張されたのか?ずっと釈然としておりませんでした。イノベーションは、予測不可能な、動的なダイナミズムによって起きるものではないのかと。

でも、消費者の求めるものが何かがわかれば、自ずと種子、配合、掛け合わせはイメージでき、どんな花を花が咲くのか、どんな実がなるのか予測可能なのかもしれません。

もうお気づきの通り、本書は「暗黙知」すなわち園芸でいうところの「土」というより「土壌」に着目されているのではないかというのが私の解釈です。

そして、前置きに描いた通り、「土壌」こそが美味しさを決める重要なファクターなのでは

ないでしょうか?

どんなに見た目が完成されていても、中身は美味しくない、では意味がない。

また作りたいとは思わない。

本書は、全体を通して非常に難しい理論でした。まだまだ消化不良で、きちんと理解できていません。なので、あえてメタファーでとらえてみたいと思います。

そこで、「土づくり」について、簡単にネットで調べてみました。

「土づくり」にとって最も重要なのは、生物(バクテリア)の多様性だそうです。

これは、本書でいうところの、様々な部署の人たちが一同に会して、合宿や飲み会に

参加して意見交換をする、交わることだと思います。そこで知識の「熟成」が起こる。

そして「土づくり」においてもう一つ大切なことは「化学肥料」のやりすぎに注意することだと。なぜなら「化学肥料」を与えすぎることによって、バクテリアの数が減ってしまうからだと。

本書の後半では、加えてどのような組織であるかが重要であると書かれています。

土も同じかもしれません。畑を耕すにしても、ただむやみに土を掘り起こせがよい訳では

ないのでしょう。どのように土を混ぜるのか(内部の交流)、空気(外部との交流)を入れるのか?

どんな肥料(外部からの知識)を取り入れるのか?それを決定するトップの考え・役割、風土(企業風土)などが大事なのではないでしょうか?

そして、これらの循環が、土壌を肥沃なものに育てて、そして美味しい成果物を作ってくれる。

肥沃な土壌がなければ、野菜や果物はやがて育たなくなる、先細る。

これまで読んできた本と、この『知識創造企業』をはじめとするこれからご紹介していく

本を合わせてようやく「イノベーション」の全貌が明らかになるのではないかと思います。

ここがゴールでないか?多分、そうではないかと思います。

日本は、かつて本当に素晴らしい土壌を作ったんだろうと思います。

しかし、やがてその土壌がやせ細ってしまったのかもしれません。

何が原因なのかは私にははかり知れません。土に例えるなら、「化学肥料」の与えすぎだったのでしょうか?それはもしかすると「技術」に頼りすぎてしまったといえるのでしょうか?それとも、土を耕すことがおろそかになってきていたのでしょうか?

いづれにしても本書を読み直し、さらに進化させることで再び肥沃な土壌を作っていただけたらいいなと節に願います。

それでは、次回は続編『ナレッジ・イネーブリング』をご紹介したいと思います。

今週末の企画はお休みさせていただきたいと思います。

稚拙な推論にお付き合いいただき、ありがとうございました。

それでは、また。

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