みなさん、こんにちは。
ご訪問頂き、ありがとうございます。
私も大学院生の時は、素晴らしい先生方から最新の研究を学ぶことができました。
今も母校で学べたことは、人生の誇りです。
その頃の恩師に対しては、今も尊敬と感謝につきません。今も温かい励ましのお言葉を
かけていただいています。
今こうして「イノベーション」理論の本を読んでいるなんて、あの頃の自分は想像もできなかったと思います。
ただ「経済成長」や「経済発展」に関する理論は勉強していたので、「イノベーション」は
それに有効な手段として関心が全くなかったわけではありません。
シュンペーターの『経済発展の理論』(岩波文庫)は紹介しませんでしたが、ブログを始めるずっと前に購入して本棚の目立つところで陣取っています。少しは読んだのですが、時代が違いすぎるので読みづらくてギブアップしました。
もし、この分野で論文を書こうと思うのなら、何が何でも読まなければなりませんが、
どうなんだろう?特許に関する論文は、いつか執筆してみたいなというのが人生の最終目標ではあります。
クリステンセン教授の本をご紹介するのは、2回目ですが、やはりこの方への関心は尽きません。もしかして「イノベーター」気質の方なのかな?
どうしたら突拍子もなく、でも本質をしっかりつかんだ理論を思いつくことができるのだろう?
私の知る限り、こういうタイプの研究者は思い当たりません。
ハーバード・ビジネス・スクール教授 クレイトン・クリステンセン教授 他(著)
『ジョブ理論 – イノベーションを予測可能にする消費のメカニズム』の
(ハーパーコリンズ・ジャパン, 2021年, ¥2,200)
ジョブ理論 イノベーションを予測可能にする消費のメカニズム (ハーパーコリンズ・ノンフィクション 22) [ クレイトン・M・クリステンセン ] 価格:2,200円(税込、送料無料) (2023/8/21時点) 楽天で購入 |
これはプログレス(進歩)についての本だ。(p.10)
これからのイノベーションを予測し、生み出すための本である(p.17)
多くの企業にとって、イノベーションは運まかせのところが大きい。
「イノベーションは本来、もっと予測可能で、もっと確実に利益をあげられていいはずだ。
必要なのは、ものの見方を変えること。大事なのはプログレス(進歩)であって、プロダクト(商品)ではない(p.10)。
「ジョブ理論」とは、顧客は片付けるべき仕事(ジョブ)のために、何(どんなプロダクト)を「雇用する」するのかを説明する理論である。
「ジョブ理論」が目指すのは、顧客が進歩を求めて苦労している点は何かを理解し、
彼らの抱えるジョブ(求める進歩)を片付ける解決策とそれに付随する体験を構築することにある。
本書では、度々具体例が紹介されて、どのようにジョブが解決されたのか、成功事例を知ることができる。「帰納法」によって、理論が導かれている。
私の忙しさのせいで、読書のスピードが落ちていたこともありますが、この本はとても奥深く感じ、一章読み終えるごと色々と考えさせられました。
一見すると、シンプルな理論のようですが、読みながら「まだ完璧な理論のように思えない。
どこか足りないところがあるような気がする。足りないものは何だろう?」と、散歩しながら考えていました。
本書の最後に、クレステンセン教授自身もそのことに触れていました。まだ議論の余地があると。
成功事例だけでなく、うまくいかなかった例も知りたいですね。シンプルなものほど難しい。
確かに有効な理論のように感じましたが、やはり何か大切なものを見落としているような、
モヤモヤした思いがしています。
この本を読まれた方は、どんな感想を持たれたのでしょうか?
さて次回ですが、書店で久々に「デザイン」に関する興味深い本を見つけました。
すっと引っ掛かっていた疑問を解消してくれるのかどうか、読んでみないとわかりませんが。でも、その前に「日本の美意識」について、仕上げたいと思います。
新書なので、割と時間はかからないかなと思いますが、見積もれないです。
それでは、皆さまもよい週末を!