みなさん、おはようございます。
ここ数年、連敗続きでもう失敗することに鈍感になってしまいました。
いえ、情報処理試験の結果はまだ出ていませんが、もう覚悟してます。
失敗をしたことがない人は、きっと失敗することに敏感かもしれませんが、
失敗することに慣れると、むしろなぜ失敗したのかその原因を突き詰めることと、
次の対策を練ることに忙しく落ち込んでいる暇はない。
「勝ちに不思議の勝ちあり。負けに不思議の負けなし」といったところでしょうか。
まあ、私の場合お金はないけど時間だけはあるので、許される話なのでしょう。
落ち込んでいるわが子に、そんな話をしてもまだ届く様子はありません。
失敗することより、失敗から何も学ばないことの方が心配です。
さて、今回ご紹介するのは
Harvard Business Review 2019年6月号 データドリブン経営 です。
古い雑誌ですが、これまでご紹介したHBRの中でも、今回は特によかったなと思います。
調べてみたところ、まだ取り扱っているサイトがある様でした。電子書籍もあるみたいです。
よかったらチェックしてみて下さい。
特集は下記の論稿からなります。
1.データドリブン経営の本質
(マッキンゼー・アンド・カンパニー東京支社カンパニー 黒川通彦ほか)
2.データサイエンスと経営を結びつける方法
(HBRシニアエディター スコット・ベリナート)
3.データの力で隠れた価値を見つける、形にする
(楽天常務執行委員チーフ・データ・オフィサー 北川拓也)
4.現場の能力を引き出すデータ分析の6つの型
(滋賀大学 教授 河本薫)
5.ピープルアナリティクスで人事戦略が変わる
(カリフォルニア大学サンタバーバラ校 ポール・レオナルディほか)
今回の特集号は、これまでの中でも特に得るものが多かったように思います。
個々に詳しくご紹介すべきところですが、今回は時間の関係と内容が濃いので
まとめるよりは加工せずに直接読者の方に読んでいただくにふさわしい論稿だと思い、
ザクッと以下のようにポイントを絞ってご紹介することにいたします。
まず、そもそも『データドリブン経営』とは何か?
論稿1.によると、「これまでにない大きな経営インパクトを創出するための全社変革であり、デジタル技術や人工知能(AI)などの技術を活用し、ビジネスのあらゆる局面において
データ主導での意思決定をする経営」と定義されています(p.22-23)。
マッキンゼー・アンド・カンパニーが行った、データドリブン経営のもたらす利益の
算出結果によると、利益換算で1000兆円から1500兆円の潜在価値が存在することが判明した(p.23)そうです。
いかに「データドリブン経営」への移行が、企業が勝ち残るために必要な条件になりうるかということがわかります。
しかし、多くの企業がデータサイエンスの価値を引き出せていない(p.36 論稿2.)
ようです。
データドリブン経営を軌道に乗せるためにはどのような課題や対策が必要なのか?
5つの論稿を総合して見えてきたのは、下記の課題と対策です。
①組織改革の必要性
②意思決定
③ピープルアナリティクス(社員の関係性を可視化)
①についての詳細は、是非本誌をお読みいただきたいと思います。
なかなか一筋縄ではいかないこともわかります
②については、特集を通じて、みなさんが「意思決定」の重要性を
説いておられます。
特に論稿4.の「6つの型」が必見です。
著者の河本薫氏は、「意思決定の本」はこの方の本がお薦めだと
言われました。
『会社を変える分析力』(講談社現代新書)だと思います。
私も借りて読もうと思います。
③について。
まず「ピープルアナリティクス」とは社員データから抽出した
統計学的な知見を用いて、人材管理の意思決定を行うこと(p.78)だそうです。
著者であるポール・レオナルディ氏らが考案した「リレーショナルアナリティクス」
(関係性分析)を企業のピープルアナリティクス戦略に組み込むことで、すぐれた
イノベーション、影響力、効率性という面から、企業の目標達成に貢献できる
人材を発見しやすくなる(p.79)そうです。
素人の私にはよくわかりませんが、図を見ると「ネットワーク分析」に
似ているのかな?と思いました。
『ナレッジ・イネーブリング』を読みながら、確かに「見える化」ができないだろうか
と思っていましたが、まさにこういう分析があったのですね。
できることなら、この図をみなさんと共有したいくらいでくらいですが、
そういうわけにもいかないので、もし入手が困難でしたら、
この方の論文がネットに公開されていないか確認されては
いかがでしょうか?
以上で、ざくっとまとめましたが、まずは「データドリブン経営」の効果と
「意思決定」の重要性だけでも伝わればよいなと願っております。
今回は「データドリブン経営」の全体像を俯瞰して、その効果と課題や
その対策をテーマにした特集でしたが、次回は具体的に「データドリブン経営」とは
どのようなものなのかを教科書的な書籍を取り上げてご紹介したいと思います。
とはいえ、実際に体験してみないとわからないだろうなとは覚悟しております。
周りの人に体験談を聞きながら、想像していけたらいいなと思います。
「意思決定」については、また改めて本を読んでご紹介したいと思います。
それでは、みなさんにとってきょうもよい一日でありますよう!