改めましてみなさま、ブログ「ブレイクスルーの放課後図書室」に
ご訪問いただき、ありがとうございます。
投稿者の「らん」です。
たくさんある中で、このブログを選んでいただけたことを
大変うれしく思います。
さて、先日「あなたが敵わない相手は?」というような
心理テストをしてみました。
どんな相手だと思いますか?
「子」でした。拍子抜けしませんか?
自分の子どもだけでなく、人間の子、小動物も、だそうです。
う~ん、なるほど、当たっているかもしれない。
敵意を喪失する相手ということでしょうか?
メロメロになってしまうと書かれていましたが、確かに。
昔から「子どもには勝てない」と言いますよね。
こども、最強!
さあ、それでは私たちも「学びの場」を再開しましょう!
河本 薫『最強のデータ分析組織-なぜ大阪ガスは成功したのか』
(日経BP社, 2022年, ¥1,600+税)
みなさんは、Harvard Business Review 2019年6月号に掲載された、河本氏の
論文をお読みになられたでしょうか?
私は正直、なかなか頭に入りませんでした。
難しいなと。
その理由が、ようやくわかりました。
背景がわからなかったのです。
どういう背景でこの理論が生まれたのか、この組織がどのようにして
生まれたのかがわかると、なるほどそういうことかと思います。
ですが、「意思決定」について理解するには、もう少し詳細な説明が
必要だなと感じました。
そこで次回は同著者の『データドリブン思考』をご紹介したいと思います。
今読んでいる途中ですが、「意思決定」について詳しく説明されています。
また改めてご紹介したいと思います。
本書の紹介に戻りましょう。
なぜ多くの企業がデータドリブン経営に苦戦しているのか?
優秀なデータサイエンティストを揃えても、うまくいかないのはなぜか?
そんな疑問に、わかりやすく答えてくれるのが本書です。
河野氏は現在滋賀大学データサイエンス学部教授兼データサイエンス
教育研究センター副センター長に就任されていますが、前職大阪ガス
情報処理通信部ビジネスアナリストセンター所長を務められていた頃に、
どのように最強のデータサイエンス組織を作り上げていかれたのか
記されています。
一足飛びにノウハウを知りたい、ということであれば
次回ご紹介する『データドリブン思考』をお読みいただく方が
よいかと思いますが、それだけでは不十分で、データドリブン思考の
文化をどのように根付かせればよいのか、
それにはどのような障壁があるのか知ることが大事だと思います。
本書は、自社の内情をここまでオープンにしてもよいのだろうかと
心配するほど、詳細に惜しむことなく組織の成り立ちから、
どんな困難にどのように乗り越えてきたか語られています。
この企業努力は、本来社外秘にすべきものだと思います。
ガス会社という、インフラを扱う企業だからこそということでしょうか?
競争が少ないという以外にも、何か社会的使命のようなものを感じます。
本書について詳細は書きませんが、結局最大の障壁は「ひと」のようですね。
「意思決定」をするというのは、つまるところその「責任」を負わなければ
ならない。
どんなに精度の高い分析をしたとしても、最後は「意思決定」に
つながるかどうか。
とても難しい問題だと思います。
結局最後は「ひと」なのだと。
私は最近「ITパスポート」の勉強もしています。
内容はそれほど難しくなく、ITの知識だけでなく企業の仕組みがよくわかるようになります。
高橋 京介(著)『いちばんやさしいITパスポート
―絶対合格の教科書 出る潤問題集』(SBクリエイティブ株式会社)
IT技術者のようにデータサイエンティストも、会社の仕組みを知り、
経営の知識を身に付け、
分析結果をいかにすれば活用してもらえるようにできるのか、
つまり「使ってもらえる」ようにする術を身につけなければ
ならないとわかりました。
ここで、Harvard Business Review 2019年6月号をお持ちの方は、
同誌に掲載された
「分析結果をどう伝えるか
データサイエンティストと経営を結びつける方法」
スコット・ベリナート(「ハーバード・ビジネスレビュー」シニアディレクター)
(p.36~p.49)を思い出していただきたいのです。
本稿にはこう書かれています。
データサイエンティストを対象に行った調査によると、彼らの「仕事上の障害」の
上位に占めるのが「ラストワンマイル」の問題。
つまりデータサイエンスの成果を意思決定者に説明する時に、相手が理解するまでの
最後の一歩だと。(p.38)
このギャップの問題を、大阪ガスがどのように解決したのか?
そして、スコット・ベリナート氏の提案と比較していただきたいのです。
文化の違いもあるかもしれませんが、人材育成には長い年月と指導者の
卓越した能力と統率力が要求されるかもしれません。
どんな企業でも真似ができるのか?という疑問が湧くかもしれません。
両者の比較は、自社に適した方法を見極めるうえで参考になるのではないかと思います。
一方で「ひと」を動かすには、「仕組み」をつくることも大事かもしれませんね。
うちの相方に本書について話したところ、「解釈可能なAI」があるよと教えてくれました。
少し後のほうで、行動経済学に絡んだ話や、AIが意思決定にどう影響するかなどが
書かれた本を紹介しようと思います。
本書を読み終わった方は是非『データドリブン思考』の方も
お読みになるとよいのではと思います。
まだ途中ですが、「意思決定」の6つの種類について
詳しく説明されているようですし、
「意思決定」について、しっかり勉強することで、
どうすれば「データドリブン経営」を軌道に乗せることができるのか、
ヒントがいただけそうですね。
それでは、今回はここまでにいたします。
次回は河本氏の書籍『データドリブン経営』を紹介して、
次々回はソーシャル・イノベーション編にと思います。
イノベーション編は、あと少し「意思決定」に関するテーマで取り上げてから、
「根っこ」の方を見ていきたいと思います。
日本の技術とその背景を見ていきましょう。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
それでは、またのご訪問をお待ちしております。
追記
ものづくり太郎さんが参加されるセミナーがあると教えてもらいました
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ご参考まで