みなさん、おはようございます。
夏真っ盛りですね。
若い頃は夏野菜が苦手でしたが、最近は夏野菜が好きになりました。
はまっているのが、キュウリとミョウガの酢の物。
苦みがわかる大人になりました。
はまっているものといえば、やはりアニメ「スラムダンク」
も見ていますし、最近はドラム演奏の動画を見たり、
ドラムの演奏の音を聞いて楽しんでいます。
ドラムを演奏する人の脳のなかで一体どんな反応が起きているのか、
気になって仕方がありません。
音楽と脳の関係について描かれた本も、早く読みたいです。
「人間知能」のところで読んで紹介しようと思います。
さて、本題に入りましょう。
以前ご紹介した『技術思想の先駆者たち』(飯田賢一(著))の中で
エルウィン・ベルツが以下のように語ったと書かれています。
「日本人が自身で産み出しうるようになるためには、科学の精神
をわが物とせねばならないということ」(p.94)
一方、佐久間象山は「和魂洋才」という言葉を残しました。
果たして「洋才」で足りるのでしょうか?
「洋根」も必要ではないのでしょうか?
つまり西洋技術の「根っこ」をわが物にせよと言っているように思えるのです。
それでは、ベルツのいう「科学の精神」とは何か。
この本から探してみることにしました。
『未来を考えるための科学史・技術史入門』(北樹出版, 2023,¥2,500+税)
(編著)
河村 豊(東京工業高等専門学校名誉教授)
小長谷大介(龍谷大学経営学部教授)
山崎文徳(立命館大学経営学部教授)
(著)
但馬 亨(四日市大学関孝和数学研究所研究員、同支社大学大学院理工学研究科嘱託講師)
中澤 聡 (広島大学総合科学部准教授)
和田正弘 (三重大学高等教育デザイン・推進機構准教授)
水沢 光(国立公文書簡アジア歴史資料センター研究員)
佐野正博 (明治大学経営学部教授)
永島 昴 (立命館大学産業社会学部准教授)
油井 秀樹(山梨大学大学院総合研究部域附属出生コホート研究センター特任助教)
文系の私でも、比較的読みやすい本でした。
内容が盛りだくさんだったので、詳細については一回読んだだけでは
覚えきれないのですが、
科学技術の誕生から発展する過程を凝縮して書かれています。
ブログタイトルにも書きましたように、その過程は明るいものばかりでなく
「戦争」と密接な関係があったという、いわば「影」というか「闇」の側面も
目をそらすことなくしっかり分析されている良本だと思いました。
私がこの本を読んで学んだことは、科学・技術の発展には
「思想・哲学・時代の要請・国際情勢・経済・政治」など
様々な要因が複雑に影響しているということです。
このことが、次世代の技術や科学の行方を予測する重要な
ヒントになるように思います。
そして、「根っこ」について。
面白いなと感じたのは、イギリス・米国・日本を比較すると
その技術発展にはそれぞれルーツがあるということ。
イギリスで起きた「産業革命」は、植民地(インド)から
綿が運ばれるようになった結果、大量生産の必要性から
機械化・工業化が生じたという必然性。
米国は、「南北戦争」など、戦争に伴う武器の製造の必要性から。
我が国日本は、幕末の大国の脅威から、急遽製鉄技術を取り入れ
発展させた経緯。
そして、戦闘機の製造技術が戦後自動車や輸送機の製造へと
応用されたこと。本書には書かれていませんが、造船技術も
同じではないかと思います。
もっとも、日本は開国前から中国やオランダとの交流があり、
主に医学に関する知識は早くから根付いていたようです。
このような背景を知ると、各国の科学技術の強み・特徴が
わかりやすくなりますね。
本書を通じて、哲学を知る必要性、歴史を知る必要性がよくわかると思います。
まさに「科学史・技術史」の教科書にふさわしい本だと感じました。
歴史については、この一冊で十分だと思うのですが、
思想または精神についてはやはり難しいですね。
そこで、難解だとは思いますが『科学革科学革命の構造』
(トーマス・クーン(著)/中山茂(訳)を読むことで、
より深い理解を得ることができるのではないかと思います。
それは次々回の課題とします。
ちなみに、以前の記事でご紹介した本ですが
『科学哲学』(ドミニク・ㇽクール(著)沢崎壮宏・竹中利彦・三宅岳史(訳))
(白水社)
も参考になるかもしれないですね。
この本は、私がうちの相方にプレゼントした本で、私は前半しか読んでいません。
必要があると感じたら、また最初から読み直してもいいかなと思います。
それでは、今回はここまでにします。
よい休日を!