<デザイン思考の教科書>

今回ご紹介するのは

Harvad Business Review デザイン思考の教科書

(ダイヤモンド社, 2020, 1800+税)

今回ご紹介する論文集は、10本の論文が編集されています。

読みやすい論文もあれば理解がむずかしいものもありました。

論文集を読んで気づいたことを、あくまで個人の感想としてご紹介します。

まず「デザイン思考」は人間中心の発見プロセスだということ。

そして、モノやサービスを単に発明するだけでなく、それを活用できる市場だったりシステムも同時に創造しなければいけないということ。

また、イノベーションには二つの役割があるということ。

1つは経済的に豊かにすること、もう一つは社会課題の解決に貢献すること。

デザイン思考はこの両方を可能にすること。

その一方でデザイン思考を成功するためには、組織のあり方、リーダーのあり方に戦略が必要なこと。

この論文集で特に注目すべきは、イノベーション理論の開拓者クレイマン・クリステンセン教授の‟Jobs to Be Done”という論文のようです。教授の著書『イノベーションのジレンマ』は名著で是非読んだ方がよいと私の友人が勧めてくれました。今後改めてご紹介したいと思います。

とりわけ私が関心を持ったのは「リバース・イノベーション」です。皆さんはご存知でしたか。わたしはこの言葉を初めて知りました。

これを成功させるには、いくつかの落とし穴を回避しなければならないようですが、これこそデザイン思考の出番のようです。注目のトピックスだと思いました。

そして、誰にとっても「失敗」は受け入れがたいものである。「失敗」から学び、それを活かすにはどうすればよいのか?是非参考にしたいです。

「イノベーション・カタリスト」とは?聞きなれない単語だったので調べてみました。

「カタリスト」とは、もともと化学反応を促す「触媒」をあらわす単語で、転じて「金融市場で相場を動かす契機となる材料」(ウィキペディアより)を意味するそうです。

一通り、ざっと読んでみた感想としては、やはり文化の違いもあって、じゃあ日本流デザイン思考ってどうなの?と正直なところ、まだしっくりこないところもあります。

日本企業が実践したデザイン思考の論文もあるそうなので、時間があれば探してみたいと思います。

それと、やはりデザイナーの思考がまだイマイチよくわからないというのも、理解しづらい理由の一つだと思います。

そこで次回は原点に戻って、私たちも『デザイン』を体験できる、素晴らしい本をご紹介したいと思います。よかったら次回もお立ち寄りください。

【ご参考までに】

デザイン思考の手法について、具体的に書かれたテキストがご希望の方は下記の本もご紹介します。私はまだこれを活用する場がないので、本棚に眠ったまま、まだ読んでいません。

でも、見た感じだとイラスト付きで詳しく書かれていて役に立ちそうですよ。

アネミック・ファン・ブイエン他編/ 石原薫訳

“DELFT  DESIGN  GUIDE デザイン思考の教科書 

-欧州トップスクールが教えるイノベーションの技術“

                 (日経BP社, 2019年, ¥2,400)

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