おはようございます。
今回はデザイン思考が学べる日本の大学に関する本をご紹介したいと思います。
その前に「デザイン思考が学べる大学」といえば、まず思い浮かぶのはスタンフォード大学のd.choolですよね。きっとご存知の方が多いと思いますが、私の場合、名前くらいは知っているものの、中身は全く知りません。ホームページを見たり、d.school を体験した方々の書籍は読んだことがある程度です。
今回はブログを書くにあたって、ネットで調べてみたり、本書に書かれていることを簡単にまとめて説明します。
「d.school」とは、スタンフォード大学の機関Hasso Platner institute of Designの通称だそうです。デザインファームIDEOの創業者のひとりであるデイビッド・ケリーにより設立されました。彼は自分たちの手法を「デザイン思考」と名付けて世界に提唱していったそうです。ここでは、文理系を問わず様々な分野の学生が集まって、「デザイン思考」を学んでいるみたいです。
スタンフォード大学には、d.school以外にもいくつかの正規のデザインコースがあり、これらのコースのうち、Mechanical Engineering学科が提供する「ME310」があり、スタンフォード大学が中心になり、提携する大学や企業と共同でプロジェクトを行なっているようです。
今回紹介する本は、東京工業大学の「エンジニアリングデザインプロジェクト(EDP)」は
d.schoolだけでなく、ME310も含めてお手本にしているそうです(本書P>15~P.16)。
日本でも私の調べただけでもたくさんの大学でデザイン思考を学ぶことができるみたいです。先日イベントをご紹介した京都大学もそうですし、もしご関心のある方は「日本で学べるデザイン思考の大学」などで検索していただくと、ブログ等を見つけていただけると思います。
私が調べたところ、東京大学(通称iスクール)は、イノベーションの教育プログラムを行なっているみたいですね。無料で視聴できるwebの開講プログラムもありました。私も時間ができたら視聴したいと思います。
前置きが長くなりましたが、今回ご紹介するのは
東京工業大学エンジニアリングデザインプロジェクト(齊藤 滋規/ 阪本 啓/ 竹田 陽子/ 角 征典 著)『エンジニアのためのデザイン思考入門』
(株式会社 翔泳社, 2019年, ¥2,480+税)
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編者のプロフィールを簡単にご紹介します。
齊藤 滋規(氏) 東京工業大学 環境・社会理工学院 融合理工学系(工学院 機械系)
エンジニアリングデザインコース 教授
坂本 啓 (氏) 東京工業大学 工学院機械系 動設計学研究室 准教授
竹田陽子 (氏)首都大学東京 社会科学研究科 教授
角 征典 (氏)東京工業大学 環境・社会理工学院 融合理工学系 特任講師
大内 孝子 (氏) フリーライター/ エディター
先にも触れましたが、京都大学のサマースクールに今回ご参加される読者の方はいらっしゃるのでしょうか。あるいはすでにワークショップに参加されたことのある方もいらっしゃるのでしょうか。私は今回参加を見送ったので、どの立ち位置でこの本を紹介したらいいのだろうと悩みました。
私のようにワークショップには参加しないけど興味はあるよという方、もしくはワークショップに参加する前に、どんな感じなのだろうと予習しておきたい方、デザイン思考を学べる学校を探している方にこの本をお勧めしたいと思います。だた、モノづくりにデザイン思考を活かしたいという方が対象になると思います。
この本は、一言でいえば東京工業大学のEDPで行われたワークショップの内容が詳細に書かれています。ワークショップの背景や目的、手法についての注意事項など内容は盛りだくさんですが、とても丁寧に書かれているなという印象でした。
他にもこのワークショップの特色なのか、東工大生と美大生・社会人が集まる参加者の多様性が色々な課題を生む様子も描かれていました。私はエンジニアの立場でもデザイナーの立場でもないのですが、両者の考え方の違いがわかりやすくて面白いなと思いました。
このプログラムの参加者の反省や気づきが包み隠さず書かれているので、これからワークショップに参加するならこういうことに気を付けたらいいな、など参考になりそうです。
私の友人は、アメリカの協会(デザイン思考などを普及する団体)の日本支所が企画するデザイン思考のセミナーに参加していましたが、日本の超有名企業の若手社員も会社から派遣されていたそうです。人数は6~7人程度。やはり百聞は一見に如かずで、参加してからの友人の熱量はすごく上がりました。膨大な資料を持って帰り、相当情報収集ができたみたいです。
大学のワークショップは、料金面からしてもサービスに違いはあると思いますが、本書にも書かれていたように、ワークショップの参加前と参加後ではきっと大きく変化するのでしょう。
ざっくりですが、今回はこのあたりで終わります。
次回は、少しデザイン思考と離れた視点で本をご紹介したいと思います。広義の意味では「デザイン」に含まれると思います。
それでは最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。
また次回もよかったらお立ち寄りください。