<イノベーション・マネジメント~第1章から第2章>

みなさん、こんばんは。

今回もご訪問いただき、ありがとうございます。

今週は読書に時間がなかなかかけられず、スロースタートになっております。

ところで、もうすでにこの本をお手元にお持ちのかたはいらっしゃいますでしょうか。

うっかりして、予告で書き漏れがあり申し訳ありません。私が手元に持っているのは、

第2版の方です。第1版と内容が若干違うかもしれませんが、ご了承ください。

本書を全部読み終えてから投稿しようと思ったのですが、とても時間がかかりそうなので、

表題の通り、やっぱり小出しでご紹介することにしました。

しばらくこの本の紹介が続きます。ご理解のほど、宜しくお願いします。

また私事ではございますが、ブログを始めてから確か今日で3か月になるかと思います。

もし、このブログを7月から継続して読んでいただいている読者の方がいらっしゃったとしたら、心より厚くお礼を申し上げます。また本日もご訪問いただいた皆様にも感謝いたします。

それでは改めて,今回ご紹介するのは

一橋大学イノベーション研究センター(編)『イノベーション・マネジメント(第二版)』

(日本経済新聞出版本部, 2017年, ¥3,600+税)

本書はボリュームもあり内容が盛りだくさんですので、少しずつ重要だと思われる箇所を

ご紹介していこうと思います。抜粋が続きますが、ご寛容にお願いします。

まずは、「イノベーション」の定義から見ていきましょう。

イノベーションといえば、古くは経済学者シュンペーター(Schumpeter)が、彼の書物でこう定義しているようです。

「イノベーションとは、知識や物、力を、従来とは異なったかたちで結合する「新結合」である」と。

彼は、この「新結合」には次の5つがあると説明しています。

  1. まだ消費者に知られていない新しい商品や商品の新しい品質の開発
  2. 未知の生産方法の開発(科学的発見に基づいてもいいし、商品の新しい取り扱いも含む)
  3. 従来参加していなかった市場の開拓
  4. 原料ないし、半製品の新しい供給源の獲得
  5. 新しい組織の実現

(本書P.2~3より抜粋)

本書では、イノベーションを「社会に価値をもたらす革新」と定義し、「価値」と「革新」という2つの側面からとらえていることが特徴(p.3)だそうです。

第2章では、イノベーションの歴史として、イギリスの「産業革命」とアメリカの「ビッグビジネス」の出現について紹介されています。

イギリスの産業革命は、偉大な発明家が存在し、彼らの発明によって社会が大きく変革していったという印象を持つが、実際には非常に長い時間をかけて累積的なイノベーションが積み重なって起こった(p.22)と記述されています。

累積的なイノベーションとは、「1つの技術が突出することによって不均衡が生じ、それを

解消するために他の工程あるいは技術が進歩し、またそこで新たな突出が生まれていった(p.24)」ということのようです。

では、なぜイギリスで産業革命が起こったのか?

特許制度(知的財産権を保護する制度)の確立と、資本に対する相対的な賃金の高さなどの要因があったようです。

一方、アメリカでは19世紀後半に巨大企業が出現します。

鉄鋼王アンドリュー・カーネギーによって設立されたカーネギー・スティールやジョン・ロックフェラーに率いられたスタンダード・オイルなどのビッグビジネスの登場により、イノベーションは必ずしも技術的なものを源泉するものではなく、組織的な改革も源泉となることも明らかになった(p.31)

そして経営資源の内部化(研究開発機能の内部化)を行うことにより企業は大きく成長し、その一方で、企業の既存の能力を破壊するようなイノベーションを生み出すために、経営資源の外部化(オープン・イノベーション)の動きが90年代から見られてきた。(p.45)

以上の流れから、「技術それ自体の新規性だけでは、大きな価値の創造が難しくなってきている。企業の戦略や組織、あるいは補完技術やデザインなどの相対的な重要性が大きくなっているようである。」(p.459

以上が、1章から2章までの、私が重要だと思う箇所の抜粋です。

次週も引き続き、読み終わったところまでご紹介したいと思います。 最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

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