みなさん、こんにちは。
ご訪問いただき、ありがとうございます。
今年も残すところ、あとわずかになってきましたね。そこで恒例の(といってもこのブログを始めて、まだ4か月ですが)ここまで私がご紹介した書籍の中で私が特に印象深かったベスト3を勝手に発表したいと思います。
第1位 『HELLO,DESIGN -日本人とデザイン』(石川俊祐 著)
ブログを始めるきっかけになった本であり、私の周りの人の意識を変えた(といっても過言ではないと思う)一冊です。
第2位 『イシューからはじめよ – 知的生産の「シンプルな本質」』(安宅和人 著)
難解であり、あいまいなイシューの概念や見極め方を、端的に、イメージしやすく説明された珠玉の一冊だと思いました。
「イシュー」を見極める、これはきっと「イノベーション」にとっても大事な要素ではないかと思います。
第3位 『ミライの授業』(滝本哲史 著)
この本を紹介して、「そうだ、自分が本当に勉強したいのは「イノベーション」だ!イノベーションの本も紹介しよう!」と思うきっかけになった1冊です。次は孫にも読ませたい、世代を超えて引き継ぎたい一冊です。
みなさんのベスト3も、いつかお聞きしてみたいです。
それでは、今回ご紹介するのは
山崎 朗(編著)『地域産業のイノベーションシステム -集積と連携が生む都市の経済』
(学芸出版社 ,2019年, ¥2500+税)
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まずは、プロフィールから(敬称省略します)
編著 山崎 朗 中央大学経済学部教授
著 戸田 順一郎 佐賀大学経済学部准教授
北嶋 守 (一財)機械振興協会経済研究所次長兼調査研究部長
岡野 秀之 (公財)九州経済調査協会事業開発部長兼BIZCOLI館長
山本 匡毅 相模女子大学人間社会学部准教授
加藤 恵正 兵庫県立大学大学院減災復興政策研究科教授
谷川 徹 e-lab(イーラボ)代表
石橋 毅 医療機器センター附属医療機器産業研究所客員研究員
根岸 裕孝 宮崎大学地域資源創成学部教授
辻田 昌弘 三井不動産(株)企画調査部上席主幹
「イノベーション」を起こすのは、大都市に限ったことではない。
1990年代に入ると、地域イノベーションシステム(RIS)というアプローチが登場す
る。地理的な近接性という点では、より小さな空間スケールである地域の方が、情報
交換や情報共有のようなイノベーションを実現するための相互作用プロセスが効率的
に行われる可能性が高い。(P.32~p.33)
そして、医薬品、バイオ産業のイノベーションにおいて産業集積およびRISが有用
であると著者は述べる。
しかし、日本におけるRIS形成は決して容易ではない。
日本における産業集積やRISの形成において、いかなる課題があるのか、また課題解
に向けてどのような取り組みが求められるのか。
本書は、九州の半導体、航空宇宙産業、神戸・福島・宮崎の医療産業の事例からこれら
の課題と展望を導く。
これらの事例は、EV、航空宇宙、医薬・医療機器およびそれらに使用される基盤製品
である半導体をテーマとしているが、「モビリティとバイオ、医療」がイノベーショ
ンの2大源泉であるからに他ならない(p.58)からである。
本書を通じて、日本特有の強い「同質性」「閉鎖性」が、オープンイノベーションの
進まない要因の一つになっていることに気づく。
イノベーションは多様な知識が「新結合」を起こすことから生まれる。(p.205)
地域外、海外からの人材、知識の流入がカギとなる。
予定では、伝統産業からのイノベーションについてもっと広範囲な地域の事例を紹介
する予定でしたが、本書は主に先端技術のイノベーションの取組みが紹介されていま
した。福島や神戸のように、震災から復興した地域から、新しい産業が成長している
のは注目に値するのではないでしょうか。
ご参考になれば幸いです。
次回は Harvard Business Review 2018年1月号
“テクノロジーは戦略をどう変えるか“ をご紹介します。
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