そのビジネスは何のために存在するのか

みなさん、こんにちは。

すっかり秋になりましたね。

秋は過ごしやすい季節ですし、食べ物も美味しい!

でも、一つ難点は洗濯物が乾きにくくなること・・・。

乾燥機付き洗濯機をお使いの方なら、こんな悩みはないはず。

乾燥機は電気代がかかると反対するうちの相方に、乾燥機から

取り出したときのふわふわとした気持ちよさと、殺菌された清潔感を

懸命に訴えて、ネットでいくらくらいするのかな?と調べてみました。

と言っても、現在使っている洗濯機も買い替えてから時間が経っていないので、

壊れるまで使います。買い替えるのは、きっとずっとずっと先。

子どもたちも家から出て行って、コンパクトな洗濯機でよくなるかも。

ところで、みなさんは洗濯機を買う時の基準て何ですか?

私は、まず第一は国産メーカーであること。家族分の洗濯が一度でできるだけの

容量があること。あとは、できるだけシンプルな機能でお値段もなるべくお安く。

型落ちがあればラッキー、といったところです。

国産メーカーであれば、欲を言えば白家電ならあのメーカーさんがよさそうですが、

比べてみるとお値段もお高い。

そんなことを妄想していると、ふと家電でこのメーカーをひいきにしているという

ところがないなと思うのです。父が会社を退職したら、メーカーへの愛着もだんだん

薄れてしまいました。

みなさん、自動車を買う時はきっと好きなメーカーから車種を選ばれるのではないでしょうか?勝手なイメージですが。

私に関して言えば、あまりブランドを意識していないのかもしれないな、とふと気が付きました。ブランドって、何だろう?改めて本書を読みながら考えさせられました。

Harvard Business Review 2020年10月号

”Purpose Branding  

そのビジネスは何のために存在するのか どうすれば社会に貢献できるのか”

「そのビジネスは何のために存在するのか」。オムロン創業者の立石一真氏は

「企業は社会の公器である」という考えをお持ちだったそうです。(P.91)

「社会の公器」という言葉は、松下幸之助氏も使っておられた言葉だったと思います。

本特集の原稿が書かれた時期は、「コロナウイルス流行」の混乱の時期。

益々、企業の存在意義が問われた時期だったようです。

多くの企業が倒産の危機に苦しむ中、社会に必要とされる企業であること

が、事業の存続にいかに重要であるかということが鮮明になったことが

わかります。

本書は以下の構成になっています。

1.マーケターは社会の課題を解決しブランドも成長させる

(元ユニリーバグローバルソーシャルミッション担当ディレクター

 ミリアム・シディべ)

2.スターバックスはオンリーワンのブランドであり続ける

(スターバックスジャパン 代表取締役最高経営責任者(CEO)

 水口 貴文)

3.パーパスの持つ力を伝統企業に浸透させる方法

 (前 ペプシコ会長兼CEO  インドラK.ヌーイほか)

4.あなたの会社のブランド・コアを見つける方法

 (ハーバードビジネス・スクール名誉会長 

ステファンA.グレイザーほか)

5.強くなければ、「社会の公器」たりえない

  (オムロン 代表取締役 社長 CEO 山田義仁)

1.の論稿では、元ユニリバーのディレクターであり、地球規模の

健康改善に企業が果たす役割を研究してきた著者が、パーパスを

利益に結び付け、社会的インパクトを高めるのに役立つフレーム

ワークを紹介する。

3.の論稿では、ペプシコを12年間にわたって率いたインドラ・ヌーイの

「パーパスにかなった成果(Performance with Purpose)に基づくアプローチ

を紹介している。

これらの事例から、「社会課題の解決」と「企業の利益創出」の両立が成り立つことを

改めて確認することができた。

一方で、この両立を成功するのは決して容易ではなく、著者たちの知恵と根気と

有効なシステムの構築が必要であることもうかがえる。

また、それぞれの企業の持つブランド力が、いかに社会にインパクトを与えるのか、

(ただしそれが浸透するのには時間がかかる場合もある)、そして商品開発を通じて

新たな市場の創出・拡大の可能性があるか。そして、企業の製品が「社会課題の解決」

の糸口になる可能性を確認することができる。

その一方で忘れてはいけないのは、企業のトップだけではなく、社員一人一人に

パーパスを浸透させなければならないという点だ。

2.の論稿のスターバックスの例では、スターバックスで働くスタッフが「パートナー」と

呼ばれ、「マニュアル」が存在しないのだと知る。

接客は「パートナー」の力量に任されているというのである。

それだけではない。新店舗の設立にあたって、パートナーの意見や要望が反映される

ケースもあるという。

スターバックスでは、広告費はほとんどかけずに、人材育成に資金をかけるそうだ。

まさに「パートナー」が店をつくり、彼ら彼女らが主役となる。

そして重要なことは、「共感」だ。

採用段階で最も重視しているのは、企業活動に「共感」してもらえるかどうかである

(p.55)

水口氏は「共感を育むには、企業の存在意義とそのビジネスとしての方向性が

一致しなければならない。」と語る。

5.インタビュー記事でも、「共鳴」の重要性が語られている。

共鳴とは、経営陣と社員の共鳴であり、オムロンとパートナー企業の共鳴であり、

顧客や社会、株主などのステークホルダーにも共鳴してもらうのだそうだ(p.92)

スターバックスもオムロンも、「強い企業」というイメージを持つ。

それは、顧客から、社会から強く必要とされる企業だからかもしれない。

それはコロナの混乱の中、これらの企業の存在意義を強く感じたからかもしれない。

オムロンは「社会課題の解決」に取り組む企業の成功例(と評されるのではないでしょうか)として、今後も参考にしたいと思います。

今回の企画は、「健康」(暴力についても触れられていましたが)に関する社会課題に

ついて、取り上げられていたので身近に感じるわかりやすいテーマだったように思います。

残るは2.の論稿ですが、さすがはHBSの教授の論文だけあって非常に難しい内容でした。

著者は「いまこそ企業の存在意義を定めたコーポレート・アイデンティティを打ち出す

ことが欠かせない」と言います。(p.74)

そこで「コーポレート・アイデンティティ・マトリックス」と呼ばれるツールを

提示しています。

この「ブランド・コア」が鮮明になることで、社外の関係が強化され、組織もまとまり、

競争優位につながるのだとか。(p.74)

ロジカルな分析ツールです。自社のブランディング戦略に役立つかもしれないですね。

私にはとても使いこなせる自信はありませんが。

それでは、今回はここまでとして、次回は「データ・ドリブン経営」について

勉強をしてみようと思います。

イノベーション編の一つとして考えていますが、ソーシャル・イノベーションにも

役に立つのでしょうか?勉強してみないとわからないですね。

今夜は、Schooで「和の伝統デザイン」に学ぶ継承と創造

というオンライン講座があると案内が届いていたので、試しに視聴してみようかなと

予定しています。

まだSchooを一度も視聴したことがないので、参加できるかわかりませんが。

さあ、今日は洗濯物がちゃんと乾くかな?

カテゴリー: ソーシャル・イノベーション, 問題解決 パーマリンク