<イノベーション編>ルールデザイン

みなさん、おはようございます。

投稿者の「らん」です。

こちらは連日の雨です。

この時期のまるで梅雨のように雨が続くことを

「菜種梅雨」と呼ぶのだそうです。

そのせいか、桜の開花が例年よりも遅いような。

寒い日が続いていますしね。

でも、つぼみからかわいいピンク色が顔を出しているのが

ところどころ見えます。

スタンバイO.K

さて、今回ご紹介するのは

江崎 貴裕(著)『数理モデル思考で紐解く RULE DESIGN

―組織と人の行動を科学する―』(ソシム,2022年,¥2,200)

一言で言うならば、とても有益な本でした。

組織の問題としても、としても社会課題を考えるうえでも、

大変役に立つと思われる本でした。

江崎氏はいったいどんな方なのだろう?と気になりましたので

少しだけプロフィールを確認しましょう。

江崎 貴裕 

東京大学先端科学研究センター

先端物流科学寄付研究部門 特任講師

株式会社infonery 創業者

2011年、東京大学工学部航空宇宙工学科卒業

2015年、同大学院博士課程修了

以後スタンフォード大学客員研究員などの

研究職に従事された後

2021年、株式会社infoneryを設立

裏表紙のプロフィールによりと

「研究だけでなく、データ解析技術を自ら社会に役立てる

ことにも挑戦している」と書かれています。

研究者であり起業家でもある。

理想です。

他にも

『データ分析のための数理モデル入門編』(ソシム)

『データ可視化学入門』(ソシム)

などの著書があり、ご専門は数理モデルでしょうか?

すでにHarvard Business Review『意思決定の教科書』を読まれた方は、

本書はとても読みやすく感じられたのではないでしょうか。

前者は、やはり海外の方が書かれていたので、文化的背景の違いなどが

あって、少々読みづらさを感じましたが、今回は日本の方が書かれた

ということもあり、また数式を一切使わず豊富な事例に基づいて

説明しているのでイメージしやすく、テンポよく読み終えることができました。

繰り返される悲惨な事故、うんざりする不祥事、これらは防ぎようのない

仕方がないことのような諦めの気持ちになりますが、本書はそんな袋小路からの

抜け道を示唆してくれます。

これまで何度も登場した「バイアス」の話、私たちがいかにこのバイアスや

集団の影響、外部からの影響により正しい判断、意思決定を阻害されるのかが

事例を通じて気が付くことができます。

本書の後半では、AIがこの人間が陥りやすい罠から救い出してくれるのか?

問題点は何か?など大変興味深いテーマを扱っています。

AIの力に頼るだけではなく、人間だってこの問題を対処する術があることも

紹介しています。

あまりにたくさんの事例が紹介されているので、どんなバイアスがあったんだっけ?

と忘れてしまいそうになりますが、ケースは無数にあるということが重要なのかもしれません。

だからこそ、意思決定をする前に一呼吸おいて、まずこの目標設定が果たして正しいのか?

そもそもこの仮説は正しいのだろうか?このデータは必要なデータなのか、正確なのか?

疑うということが大切なのかもしれません。

参考に、『トヨタの問題解決』(株)OJTソリューションズ)という本をご紹介します。

以前ブログで紹介したことがあったかな?

もしかしたらこのシリーズの『トヨタの片づけ』しかご紹介していないかもしれませんね。

興味深いページがあって、

「 「なぜ」を5回繰り返せ」(p.156)

こう書かれています

「問題を引き起こしている本当の要因にたどり着くコツは

「なぜ、なぜ、なぜ・・・」としつこく追及することである」

(p.156)

だと。

意思決定のも使えるのではないかと、そんな気がしました。

再び『ルールデザイン』に話題を戻すと、ルール設定は最初から完璧を求める

必要はなく不確実な未来に応じて柔軟に調整できるものであることが

望ましいことがわかります。

慎重である必要はあるが、必要以上に慎重であることも望ましくない。

難しいですね。

テクノロジーの進歩と、私たちが教訓から学んだ英知が合わさることで、

より安心安全な社会が実現するといいですね。

それでは、次回は「日本の根っこ」を見に行きたいと思います。

今からワクワクしています。

それでは、よい一日を!

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