<世界一やさしい問題解決>

今回ご紹介するのは

渡辺 健介(著)『世界一やさしい問題解決の授業

(ダイヤモンド社,2018年,¥1,200)

毎回ご紹介する本が新刊ではないのですが、こういった問題解決の本を読み始めてから何年も経つので、まずはそれらを蔵出ししていきたいと思います。この本は、書店でよく目にする大ベストセラーなので、ご存知の方も多いと思います。

前々回ご紹介したデザイン思考の本が「右脳思考」に分類されるとすると、今回ご紹介する本は「左脳思考」型の問題解決法に分類できるのではないでしょうか。いわゆるロジカルシンキングといわれるものでしょうか。実際のところ右脳・左脳という分類をすることが正しいのかという議論もあるようですが。

まずは著者のプロフィールからご紹介します。

渡辺健介氏(デジタルスタジオ代表取締役社長)

イエール大学卒業(経済専攻)後、マッキンゼー・アンド・カンパニーに入社。

同社退職後、現職に至る。

この本は自分のためではなく、うちの子どもたちの役に立てばいいなと思って買ったのですが、今のところまだ子どもたちには必要がないようで、親の方がすっかりはまってしまいました。中高生向けに書かれたようですが、私にはちょうどいいレベルだなと思いました。この本を理解して、役に立てられるようなスーパーキッズは我が家からは輩出できないようです。

本書は、まず「問題解決」ってそもそも何なのか、問題解決ができたらどんないいことがあるのか、まずそこから教えてくれます。改めて問題解決について考えることは、意義があるのだなと思いました。

内容については、色々なレビューをご覧いただけると思うので、私なりのこの本の解釈をさせていただきたいと思います。

この本では、それぞれの課題に対して、要因を分析するための色々なツールを順を追って紹介しています。複雑な事象を整理して、複雑な因果関係を見極め、解決策を導いていくのに適した素晴らしい解決法だと思いました。メリットとしては、書き出すことで「ダブり」や「モレ」がなく、また頭の中を可視化することで俯瞰することができることだと思います。

私は最近この「俯瞰力」というものをもっと磨きたいなと思っていて、日々模索しています。ついでに「センス」、これも問題解決に必要な要素かなと思います。これらに関する本については、またのちのち紹介できたらと思います。

ちなみに、右脳型の問題解決の本もこの本のシリーズとして出版されています。このブログではご紹介する機会はないかもしれませんが、参考までにご紹介します。こちらもとても楽しく読ませていただきました。

それでは次回の予告ですが、夏休み前ということで次回も子ども向けに書かれた本を紹介したいと思います。立て続けに「思考法」の本を紹介したので、次回は視点を変えて、難問を見事に解決した偉人たちの話をテーマにした本を紹介したいと思います。子ども向けの本とはいえども、大人も大変感銘を受けるとともに、発想の転換というかなるほどなあと学ぶところがあるのではないかと思います。

それでは、ご訪問いただきありがとうございました。

参考までに

渡辺健介(著)『世界一やさしい右脳型問題解決の授業』(ダイヤモンド社,¥1,200)

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問題解決「脳」のつくり方

今回紹介するのは

マシュー・E・メイ(著)/ 藤島みさ子(訳)

『問題解決「脳」のつくり方- なぜ最高のソリューションが出ないのか?』

(日本実業出版社,2017年,¥1750(税別))

【新品】問題解決「脳」のつくり方 なぜ、最高のソリューションが出ないのか? マシュー・E・メイ/著 藤島みさ子/訳
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「デザイン思考」を紹介したら、順序としては「ロジカルシンキング」に関する本を紹介する方が流れがよいのでしょうが、今回はあえてこの本を選択しました。

どんなに問題解決のフレームワークを学んでも、なかなかうまく活用することができないことの方が多いのではないでしょうか。今回紹介する本から、「なぜ最高のソリュージョンが出ないのか」、それが私たちの思考の癖によるのだということに気付くことができるのではないでしょうか。まずはそのことをクリアにしておきたいと思います。

それでは、この本の作者について簡単にご紹介したいと思います。

著者であるマシュー・E・メイ氏は、

イノベーション戦略アドバイザー。米国トヨタに8年間勤務し、社内教育機関のアドバイザーを務めていた方だそうです。トヨタ以外にも、ゼロックス、ペプシなど世界中の様々な企業を顧客に持つそうです。

著者は、私たちが問題解決に行き詰まる要因を7つの「思考の致命的な欠陥」(著者の言葉を借りると)により、思考が誤作動を起こすからだと分析しています。この本は、ただ指摘するだけに終わらず、きちんとその解決策を提示しているところがありがたいところです。

内容については、ネタバレしてはいけないので詳細は申し上げられませんが、この本の英文タイトルが ”Winning the Brain Game” で、これが何を意味するのか、是非確かめていただけたらと思います。

ところで、前回のブログで「 質の高い問い」について触れたのですが、今回紹介するこの本の中では「フレ―ミング」もしくは「フレームストーミング」というキーワードにそのヒントを見つけられるように思います。

この本を読み終えて、自分自身の思考の癖というか、問題解決に至らないとすればその原因が何か、またその解決方法知ることができたことに加えて、ブログを立ち上げる勇気をもらえたことに感謝します。

次回は「ロジカルシンキング」に関する本について紹介する予定ですが、私自身

まだまだ模索中なので、まずは子どもにわかるように書かれた読みやすい本から紹介したいと思います。私もロジカルシンキングは一番理解したい思考法なので、今後もおすすめの本に巡り合えれば随時紹介したいと思います。

それでは、最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

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HELLO ,DESIGN

ブログ第一回目にご紹介する本は

石川俊祐 著 『HELLO, DESIGN – 日本人とデザイン』

(幻冬舎,2019年,1400円+税)

HELLO,DESIGN 日本人とデザイン (NewsPicks Book) [ 石川俊祐 ]
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(このブログでは著作権に配慮して、表紙の写真は掲載いたしません。アマゾンなどでご参照ください)

「あれ、問題解決の本を紹介するんじゃないの?」と意外に思われる方もいらっしゃれば、察しのよい方はすぐにお気付きになられることでしょう。

書店ではあまり目にすることのない本ではないでしょうか?

私がこの本を手にしたのは、書店ではなく図書館でした。ビジネスコーナーではなく、アートやデザインに関するコーナーで偶然見つけました。(最近はビジネスコーナーに置かれています)。ひときわ鮮やかな黄色の表紙に、赤字で書かれたタイトルがとてもスタイリッシュに見えて、思わず手に取って読んでみると、それは「デザイン思考」について書かれた本だったのです。なぜDESIGN THINKING としなかったのか?この本を読み終わった後に納得しました。

皆さんは「デザイン思考」について、ご存知でしょうか?日本でも割と周知になってきていて、今さらだよね、と思われるかもしれませんが、一応私が調べた定義などもご紹介しておきます。

「デザイン思考とは、デザイナーがデザインを行う過程で用いる特有の認知的活動を指す言葉である」(ウイキぺディアより)

ハーバート・サイモン著『システムの科学』が起源とされるそうで、大枠としては

「トップデザイナーたちが実践している思考法を抽出し、理論化し、それぞれの仕事(企業経営や商品開発はもちろん、営業やマーケティングに至るまで)に転用することによって、

これまで誰も思い浮かばなかった、優れた答えを導き出す-。」(石川俊祐「HELLO, DESIGN」より抜粋)

手法のことだそうです。

デザイン思考といえば、IDEO(デザイン・コンサルティング・ファーム)について触れなければいけないのですが、ここでは割愛して,この記事の最後にIDEOに関する書籍を挙げるに留めます。

 前置きが長くなりましたが、今回紹介する「HELLO, DESIGN」の魅力について紹介したいと思います。

著者である石川俊祐氏は、ロンドン芸術大学卒業後、パナソニックに入社、その後イギリスに戻りデザイン・イノベーション・会社PDDを経て、IDEO Tokyoの立ち上げに携わる。2017年にAny Tokyoを立ち上げたそうです。

 デザイン思考に関する本は、今では書店でも多種多様なものが置かれるようになったのですが、私が初めてデザイン思考に関する本を読んだのは、Tom Kelly (IDEOのゼネラル・マネージャー)with Jonathan Littlemanの「イノベーションの達人!」という本でした。非常にセンセーショナル本で、これは素晴らしい、新しい発想だと思ったのですが、自分の乏しい想像力を駆使してどうにか読み終えたもの、残念ながら私の知能では消化不良でした。デザイン思考は、大変素晴らしい問題解決法なのはわかったが、では素人が一体どうやって実践できるのだろうか?結局のところ、IDEOのようなプロフェッショナルなコンサルティング会社に依頼するしかないのではないかというのが、当時の感想でした。

 その後偶然見つけた、この「HELLO, DESIGN」は実に読みやすく、消化不良だったデザイン思考のことが、そういうことだったのかと腑に落ち、少しハードルが下がった気がしました。

デザイン思考に関する書籍が数多くある中で、本書の魅力はまず、著者である石川氏が経験豊富なデザイナーであることです。難しい理論が書かれているわけではなく、デザイナーの目線でありながら、非クリエイティブな読者にもわかりやすく書かれていて、自分がその場面に同席していたらどんな提案をするだろう、などと想像しながらどんどん引き込まれていき、なるほどそういう解決策か!お見事!!と思わず感動してしまうのです。

「デザイン思考」という言葉を初めて知った方はもちろん、すでに何冊か本を読まれた方も、この本をお勧めしたいと思います。わかったような気がしても、いざ実践しようとしてもハードルが高い、でもこの本をきっかけに私もちょっとしたデザイン思考を試して、それによる小さな成功を経験することができました。その話は、また機会があれば。

もう一つのポイントは、私たちと同じ日本人の方が書かれたことで共感を覚えるのかもしれません。デザイン思考というと、異文化の手法を日本に拝借してもなかなか根付かないような印象を持ちます。しかし石川氏が示唆するように、デザイン思考は本来日本人が知らず知らずのうちに身につけている感覚なのかもしれません。私たちは、無意識を意識に変えることで、デザイン思考を習得できるのかもしれませんね。石川氏の、日本にもデザイン思考を広めたいという、熱のこもったメッセージに賛同して、この本をブログで最初に紹介する本として選びました。DX時代には特にこのデザイン思考は相性がいいと聞きますし、これからますます浸透していくことが期待できるかもしれませんね。

 石川氏の言葉を引用すると、「質の高い問こそが質の高いソリューションを生み出します。」と書かれていますが、これこそがデザイン思考の本質なのではないかと思います。この「質の高い問い」については、次回紹介する本にも関係しているので、その際に触れたいと思います。

それでは、稚拙な文章を最後までお読みいただき、ありがとうございました!

デザイン思考に興味を持たれ、より深く知りたいという方に少しだけ参考文献を紹介します。

1. ハーバート・A・サイモン著/稲葉元吉・吉原英樹訳『システムの科学』」

   (パーソナルメディア, 2000円+税)

システムの科学第3版 [ ハーバート・アレクサンダー・サイモン ]
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2. トム・ケリー&ジョナサン・リットマン著『イノベーションの達人- 発想する会社をつくる10の人材』(早川書房, 2500円+税)

 

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3.棚橋 弘季『デザイン思考の仕事術』(日本実業出版社, 1500円)

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4.佐宗 邦威 『デザイン思考の授業』(日経BPマーケティング, 950円+税)

世界のトップデザインスクールが教える デザイン思考の授業 (日経ビジネス人文庫 B さー20-1) [ 佐宗 邦威 ]
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プロフィール

ペンネーム:らん(RUN)

経歴:国立大学大学院卒業(経済学修士)、色々と寄り道を繰り返し思い描いていた進路から大きく外れてしまう。その経験が無駄ではなかったかもしれないし、そうだとしても無駄のない人生はつまらない。

現在:難関国家資格の取得を目指し、浪人中。将来は独立開業を目指している。

趣味:音楽・美術・インテリアの鑑賞

ブログを始めたきっかけ:

コンサル業を志しているため、問題解決法や思考法などの本を将来のために(受験勉強にも役立てようと)読み漁っていたところ、周りから本を選ぶセンスがいいと言われはじめ、おすすめの本を紹介してほしいと言われることが増えてきたので、私の本のセレクトがもっと人の役に立つことができたらいいなと、また自分の頭の整理も兼ねて立ち上げることにした。

本のジャンル:上記のとおり主に問題解決に役立ちそうな本思考法に関する本を中心に紹介したい。また読書だけでなく、水回りの清掃と床掃除を毎朝のルーティーンに始めたところ、頭の整理にもつながり視界もひらけ、勉強も捗るなど日々その効果を実感しているので、機会があれば整理術に関する本も紹介したいと思う。

問題解決思考は、研究や仕事だけでなく、日々の些細な問題や課題解決にも役にたつと思う。

難しい本もあれば、子ども向けに書かれた読みやすい本も幅広く紹介していきたい。 このブログの読者が、これから紹介する本を通じて何か新しい発見や問題解決のヒントを見つけられたら幸いです。

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<お詫び>大丈夫でした

こんにちは。

今確認したとろ、先月はたくさんの方にアーカイブしていただいたみたいで、いつもより

多い数字が出たみたいでした。おさがわいたしました。

ご訪問頂いた人数は、まだそれほど多くないので、そんなに影響するはずないですよね。

自分を過大評価しておりました。

Dos攻撃受けてるんじゃないかと子どもに言われたもので。

過去の投稿は、少しづつ回復していきたいと思います。

もう少し頑張ってみようと思います。

皆さまには、大変ご迷惑をおかけして申し訳ありません。

受験勉強の合間に少しづつだバックヤードは外そうと思ったのですが、大丈夫そうですね。

またご訪問にいただければ幸いです。

よろしくお願いします。

らん

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様子を見させてください

みなさん、おはようございます。

色々とおさがわせしております。またご心配をおかけして申し訳ありません。

まだきちんと確認できていないのですが、何、この異常値は!と思うことがあって、怖くなってしまった次第です。

よくあることなのかもしれませんし、少し状況を確認したいと思います。

少し様子を見させてください。

水面下で、色々と戦っているんですよ。いえ、戦ってくださっているのは、うちのサーバーさん。頼もしい。

ブログは、私の場合ビジネスとしては失敗でした。

過去の投稿はすべて削除してしまいました。すみません。

時間がある時に、少しづつもとに戻そうと思います。順番どおりにいかないときは、ご了承ください。時々、ファイルに保存していないものもあります。企画ものとか。

いつか一冊の本に仕上げたいなという思いはあります。どうなるかわかりません。

図書室はしばらく休館します。

やめようと思ったら、正直気持ちがすごく軽くなりました。相方によく、私が「やめよう」というのは「おはよう」と一緒だからと言うんです。

このブログの影響はよくわからないのですが、異変を感じることもあって正直怖いです。

いい影響を及ぼせてたらいいな、とただそう願うばかりです。

張り切りすぎていたのかもしれませんね。

今後も続けるとしたら、なるべく本紹介をメインにしていきたいと思います。

本の情報を知りたくてこのブログを読んでいただいている方を第一に考えないといけないと、反省いたしました。

少しお休みさせていただきます。

それでは、また。

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<最後に1冊>

最後までわがままを言ってすみません。

本当は、今月中にご紹介したいと思っていた本があり、今読みかけている本を一冊ご紹介します。

東京大学教授 阿部 誠(監修)『行動経済学』(新星出版社, 2022年, ¥1,200+税)

ベストセラーのようなので、ご存知の方も多いかと思います。

少し前から気になっていた分野です。行動経済学に関心のある方にお勧めの一冊です。

豊富なイラストと、わかりやすい説明が書かれていて、ビジネスマンだけでなく私のような

一消費者も大変参考になる本です。

ご参考までに。

本当に、本当にありがとうございました。

やりすぎたんでしょうね。

仕方がないです。

でも、やってみてよかったです。勉強になりました。

それでは、さようなら。

またいつか。

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<御礼とお詫び>

みなさん。こんばんは。

突然ではありますが、先ほどアクセス解析をしたところおびただしいサイバー攻撃を受けていることが判明いたしました。

大変無念ではありますが、このブログはこれをもしまして閉鎖させていただきたいと思います。

短い間ではございましたが、大変充実した時間が過ごせました。

ひとえに皆様のおかげです。

今後につきましては、今は頭が真っ白で何も考えがまとまりませんが、何かの媒体でまた皆様に本などをご紹介できる機会があれば幸いです。

拙い文章ではございましたが、根気強くお付き合いいただいたことに誠に感謝しております。

今後は地道に自分ができること模索しながら頑張っていきたいと思います。

皆様のご多幸をお祈りしております。

らん より

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