<デザインスクール>

おはようございます。

今回はデザイン思考が学べる日本の大学に関する本をご紹介したいと思います。

その前に「デザイン思考が学べる大学」といえば、まず思い浮かぶのはスタンフォード大学のd.choolですよね。きっとご存知の方が多いと思いますが、私の場合、名前くらいは知っているものの、中身は全く知りません。ホームページを見たり、d.school を体験した方々の書籍は読んだことがある程度です。

今回はブログを書くにあたって、ネットで調べてみたり、本書に書かれていることを簡単にまとめて説明します。

「d.school」とは、スタンフォード大学の機関Hasso Platner institute of Designの通称だそうです。デザインファームIDEOの創業者のひとりであるデイビッド・ケリーにより設立されました。彼は自分たちの手法を「デザイン思考」と名付けて世界に提唱していったそうです。ここでは、文理系を問わず様々な分野の学生が集まって、「デザイン思考」を学んでいるみたいです。

スタンフォード大学には、d.school以外にもいくつかの正規のデザインコースがあり、これらのコースのうち、Mechanical Engineering学科が提供する「ME310」があり、スタンフォード大学が中心になり、提携する大学や企業と共同でプロジェクトを行なっているようです。

今回紹介する本は、東京工業大学の「エンジニアリングデザインプロジェクト(EDP)」は

d.schoolだけでなく、ME310も含めてお手本にしているそうです(本書P>15~P.16)。

日本でも私の調べただけでもたくさんの大学でデザイン思考を学ぶことができるみたいです。先日イベントをご紹介した京都大学もそうですし、もしご関心のある方は「日本で学べるデザイン思考の大学」などで検索していただくと、ブログ等を見つけていただけると思います。

私が調べたところ、東京大学(通称iスクール)は、イノベーションの教育プログラムを行なっているみたいですね。無料で視聴できるwebの開講プログラムもありました。私も時間ができたら視聴したいと思います。

前置きが長くなりましたが、今回ご紹介するのは

東京工業大学エンジニアリングデザインプロジェクト(齊藤 滋規/ 阪本 啓/ 竹田 陽子/ 角 征典 著)『エンジニアのためのデザイン思考入門』

(株式会社 翔泳社, 2019年, ¥2,480+税)

エンジニアのためのデザイン思考入門 [ 東京工業大学エンジニアリングデザインプロジェクト ]
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編者のプロフィールを簡単にご紹介します。

齊藤 滋規(氏) 東京工業大学 環境・社会理工学院 融合理工学系(工学院 機械系)

       エンジニアリングデザインコース 教授

坂本 啓 (氏) 東京工業大学 工学院機械系 動設計学研究室 准教授

竹田陽子 (氏)首都大学東京 社会科学研究科 教授

角 征典 (氏)東京工業大学 環境・社会理工学院 融合理工学系 特任講師

大内 孝子 (氏) フリーライター/ エディター

先にも触れましたが、京都大学のサマースクールに今回ご参加される読者の方はいらっしゃるのでしょうか。あるいはすでにワークショップに参加されたことのある方もいらっしゃるのでしょうか。私は今回参加を見送ったので、どの立ち位置でこの本を紹介したらいいのだろうと悩みました。

私のようにワークショップには参加しないけど興味はあるよという方、もしくはワークショップに参加する前に、どんな感じなのだろうと予習しておきたい方、デザイン思考を学べる学校を探している方にこの本をお勧めしたいと思います。だた、モノづくりにデザイン思考を活かしたいという方が対象になると思います。

この本は、一言でいえば東京工業大学のEDPで行われたワークショップの内容が詳細に書かれています。ワークショップの背景や目的、手法についての注意事項など内容は盛りだくさんですが、とても丁寧に書かれているなという印象でした。

他にもこのワークショップの特色なのか、東工大生と美大生・社会人が集まる参加者の多様性が色々な課題を生む様子も描かれていました。私はエンジニアの立場でもデザイナーの立場でもないのですが、両者の考え方の違いがわかりやすくて面白いなと思いました。

このプログラムの参加者の反省や気づきが包み隠さず書かれているので、これからワークショップに参加するならこういうことに気を付けたらいいな、など参考になりそうです。

私の友人は、アメリカの協会(デザイン思考などを普及する団体)の日本支所が企画するデザイン思考のセミナーに参加していましたが、日本の超有名企業の若手社員も会社から派遣されていたそうです。人数は6~7人程度。やはり百聞は一見に如かずで、参加してからの友人の熱量はすごく上がりました。膨大な資料を持って帰り、相当情報収集ができたみたいです。

大学のワークショップは、料金面からしてもサービスに違いはあると思いますが、本書にも書かれていたように、ワークショップの参加前と参加後ではきっと大きく変化するのでしょう。

ざっくりですが、今回はこのあたりで終わります。

次回は、少しデザイン思考と離れた視点で本をご紹介したいと思います。広義の意味では「デザイン」に含まれると思います。

それでは最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。

また次回もよかったらお立ち寄りください。

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<ロジカルシンキング 実践編>

みなさんの朝のルーティンは何ですか?

私のまたまた変わったルーティンは、毎朝我が家のホワイトボードに、一流アスリートや著名な実業家、偉人たちの名言を、その日の気分で選んで板書することです。

この名言を見ながら日々の受験勉強のモチベーションを維持しています。

「言葉の力」って、すごいと思います。名言集は、私のこころのビタミン剤です。

一方で、今回ご紹介する本を読んで「言葉には魔物が潜んでいる」と痛感しました。

今回ご紹介するのは

バーバラ・ミント(著)/グロービズ・マネジメント・インスティテュート(監修)

山﨑康司(訳)

『考える技術・書く技術 問題解決力をのばすピラミッド原則』

(ダイヤモンド社, 2021年, ¥2,800)

もう一冊、上記の書籍の翻訳者である、山崎氏の著書で上記の書籍の入門編

山﨑康司(著)

『入門 考える技術・書く技術- 日本人のロジカルシンキングの実践法』

入門考える技術・書く技術 日本人のロジカルシンキング実践法 [ 山崎康司 ]
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この2冊です。

まずはプロフィールから

バーバラ・ミント氏

ハーバード・ビジネス・スクール卒業後、マッキンゼー社に初の女性コンサルタントとして

入社。1973年に独立。

山﨑康司氏

隅コンサルティングオフィス株式会社代表

1976年東京大学建築学科卒業

1980年ペンシルベニア大学ウォートン・スクール卒業(MBA)

「わかりやすい報告書は、いずれも明快なピラミッド構造で考えが構成されている」

という、著者バーバラ・ミント氏の指南に基づき、

なぜピラミッド構造で考えられた文章がわかりやすいのか? どのような構造なのか?

どのように作ればよいのか? など例を挙げながら詳細に説明されています。

本書は、元来プロのコンサルタントを目指す方のために書かれた本なので、やや難解な内容になっています。

「一般読者は第一部「書く技術」と第二部「考える技術」を熟読し。第Ⅳ部「表現の技術」にとりあえず目を通し、書くことに疑問を感じた場合に再読できる態勢をとっておくだけでも十二分の価値を感じるはずです」(訳者あとがきより, P.288)だそうです。

また訳者いわく、第Ⅲ部の「問題解決の技術」は、コンサルタント業を志す方、またはすでに携わっている若手にとって大変実践的な知識をいただけるとのことです。

私にとっても本書は大変難解な書物で、前半はわくわくする内容で途中まで何とかついて行けたのですが中盤から脱落し、「問題解決」でやる気を取り戻すも、再び脱落してしまいました。ですが大変読みこたえがある書物であることは間違えなく、一生手元において何度も読みたい名著だと思いました。

現段階では、きちんと内容を解釈してお伝えすることができず申し訳ありませんが、機会があればまたこのブログで取り上げて、「今はこんな風に解釈できるようになりました」とご報告できるようになればいいなと思っております。

一方入門編の方ですが、こちらも同じく「ピラミッド構造」を使った文章の作成方法を紹介されています。こちらはオリジナルに比べて、もっとシンプルな「OPQ分析」という手法を使われていて、大変理解しやすい本です。

私たち日本人が、一般的にロジカルシンキングが得意でない理由として、日本語特有の構造が足かせになっているそうです。そこを踏まえたうえで、私たちがロジカルな文章を書く技術を習得する方法を伝授していただけます。

私の場合は、入門編を読んだ後にオリジナルを読みましたが、逆にオリジナルを読んでから

入門編を読むほうが、かえって理解しやすいかもしれないなと思いました。

もちろん一般のビジネスマンの方でしたら、入門編一冊で十分にライティング技術の向上に役に立つことと思います。私もまずは、入門編をしっかりマスターしたいと思います。

次回は、再びデザイン思考関連の本をご紹介したいと思います。内容はそれほど難しいものではないと思いますので、ご安心ください。

本日も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

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デザインブレインマッピング

今回ご紹介する本は、

手塚 明・大場智博・山村真一(著)/ 構想設計コンソーシアム 監修

『Design Brian Mapping デザインブレインマッピング』(丸善出版, 平成31年, ¥2,800)

デザインブレインマッピング [ 手塚 明 ]
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<編者のプロフィール>

手塚 明

国立研究開発法人 産業技術研究所 製造技術研究部門 総括研究主幹

構想設計コンソーシアム会長

(経歴は省略いたします。以下同様)

大場 智博

山形県商工労働部工業戦略技術振興課主査

山村真一

株式会社コボ代表取締役社長

構想設計コンソーシアム

日本の製造業の競争力強化には顧客価値の高い製品・システムの開発のための設計能力の

飛躍的向上が必要であり、設計仕様を決めるまでの設計上流、構想設計が重要という思いを共にする産学官の有志の集まり(本文より)

前回の投稿から、少し時間が空いてしまいましたが、ようやくデザイン思考の本をご紹介することができました。

楽しみながら読めて大変満足できたものの、いざまとめるとなると難しいなと悩みました。

ざっくりした流れを言いますと、「日本の産業界の課題を浮き彫りにし、プロジェクト会議でよく見られる問題、その原因を明らかにし、それらの解決策としてデザインブレインマッピング(以下DBMと略します)を提案する」といった感じでしょうか。

この本の対象読者は、開発に携わっている方々だとは思いますが、私のような一般読者でも十分に読み応えのある本です。随所に絶妙なイラストが描かれていて、現場のイメージでき読みやすかったです。(最後の6章は、専門的な話だったので理解できませんでしたが)。

上記の流れに肉付けするように、デザイン思考に関する情報が豊富に書かれています。これまでブログで紹介したデザイン思考の本を読んでいただいた方には、この本に書かれていることをだいたい理解していただけるのでなはないかと思います。ダイジェスト版といったところでしょうか。イノベーションに関してはUSBの開発者でもある濱口秀司さんについて、このブログでも後々本などでご紹介したいなと思っています。

この本のポイントは抽象的な説明になりますが、一言でデザイン思考やそれに関連したイノベーションの話題によく出てくる用語は、一通りこの本で知ることができるのではないかと思います。この本で重要なポイントといえば「思考の外在化」ではないかと思います。言葉によるコミュニケーション(話す・聞く)の限界を超える手段として、「ビジュアルランゲージ」(書く・読むベースのコミュニケーション)を活用するということのようです。

こういうツールが使えるかどうかは置いておいて、知っているだけでも周りと差をつけることができるのではないかと思います。

「デザイン思考」といえば、付箋を貼るあれだよね?と思われるかもしれませんが、ここで紹介されているDBMは、以下の点で異なるようです。(本書p.155より)

【ランダム性依存ベースの発想手法】(KJ法、ブレインストーミング等の発想手法・付箋紙を用いた手法)・・・企画チームを対象。「イノベ―ティブな」アイデア出しが優先。個人の思考の構造や問題意識を共有できるか否かは、ファシリテーターのスキルに依存。

メゾッド中心主義。

【思考バイアスベースの創発手法】(DBM)・・・企画・実施チームを対象。項目間の関係性を重視し、個人ワークで思考構造を把握する仕組みを意識しており、ファシリテーターやリーダーのスキルに依存しない手法と道具を志向している。メンバー中心主義。

纏めてみましたが、やっぱり難しいですね。私ももう一度読み直してみようと思います。

DBMについては、この本にトライアル版のダウンロードの方法が書かれているみたいです。もしご興味があれば、試してみてはいかがでしょうか。もちろん実行するとなると、チームの合意が必要になるので、そこが一番の課題となるようですが。デザイン思考って、どれくらい浸透しているのでしょうね。

いずれにしても、思考を外在化するというのは、俯瞰ができていいですよね。

私も「俯瞰トレーニングノート」たるものを作って、時々頭の整理に使っています。

このノートを書くときや、受験勉強の際もよく使うのですが、赤・青・緑・黒と4色使いわけて線を引いたり、文字を書いたりするのに便利なペンをご紹介します。ご参考まで。

それでは次回は、ロジカルシンキングの実践編をご紹介しようと思います。

もしご興味がありましたら、お立ち寄りください。

それでは。最後までお付き合いいただきありがとうございました。

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<デザインを体感する>

今回ご紹介する本は

山中俊治(著)『だれでもデザイン』(朝日出版社, 2021年, ¥1,900)

【新品】だれでもデザイン 未来をつくる教室 山中俊治/著
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前回ご紹介した論文集は先に私の友人が読み始めたのですが、すぐに挫折したと聞いたので、ふと私たちは「デザイナー」の思考に慣れていていないからではないか?ならば「デザイン」とか「アート」に関する本を探しに行こう!と。

せっかくなので、久しぶりに少し足をのばして大型書店へ。

駅から少し離れているのですが、そのぶん他店と差別化しているのか、置いてある本も陳列もセンスがいいなといつも感心します。

そして足をのばして来た甲斐がありました。今回ご紹介する本は真っ先に私の目に飛び込んできました。表紙はシンプルですが、「うん、なんかいい!」。いい本だなと思う本は、表紙を見るとピンときます。著者のこだわりでしょうか。新刊のようです。読んでみると、やっぱり「この本だ!」と思いました。

ちなみにこの本の表紙のカバー、「ん?なんか違和感があるぞ」と思ったら・・・。

もしご購入されたら、是非確かめてみて下さい。

それでは、著者のプロフィールからご紹介します。

山中俊治 氏

現在、東京大学生産技術研究所・東京大学大学院情報学環教授

東京大学工学部産業機械工学科卒業後、日産自動車デザインセンター勤務

1987年よりフリーデザイナーとして独立

1991~94年まで東京大学助教授を務める

1994年にリーディング・デザインを設立

2008~12年 慶応大学政策・メディア研究科教授

2013年4月より東京大学教授

 

この本は著者が2017年に高校生を対象に、デザインについての4日間の特別授業を書籍化したものだそうです。授業を通じてアイデアが生まれる瞬間に立ち会い、デザイナーの仕事の過程を知ることができ、また著者がデザイナーとして制作した作品のお話も聞けます。

誰でも知っているあのICカードの話など貴重なお話を知ることができました。

モノづくりのご苦労も、感動も伝わりました。デザインの力って、本当に計り知れないなと思いました。

私の表現力の乏しさのために、的確にこの本の素晴らしさをお伝えできないのは残念ですが、私が知りたかったことは、全部といっていいほどこの本に書いてありました。いやそれ以上にたくさんのことを勉強することができました。この本を見つけられて、本当にラッキーでした。

この本にはアイデアを生みだすヒントが随所に書かれています。具体的でとてもわかりやすいです。「右脳の発想を左脳で理解できる」、山中氏の発想は理にかなっているというか、きちんと理屈に裏付けされているからわかりやすいのかもしれません。デザイン思考の本を理解するヒントもたくさんあるように思いました。

特に文中に「ずらし」というキーワードが出てくるのですが、個人的にこれがとても重要だなと思いました。頭の隅に置いておこうと思います。

それでは次回ですが、ロジカルシンキングに戻るか、デザイン思考の本にするかまだ迷っています。私の気分次第ということになると思います。

私にとっては、どちらも勉強したい思考法です。

解決したい課題によって使い分けができたらいいのなという、そんなイメージです。

それでは、またよかったらお立ち寄りください。

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<デザイン思考の教科書>

今回ご紹介するのは

Harvad Business Review デザイン思考の教科書

(ダイヤモンド社, 2020, 1800+税)

今回ご紹介する論文集は、10本の論文が編集されています。

読みやすい論文もあれば理解がむずかしいものもありました。

論文集を読んで気づいたことを、あくまで個人の感想としてご紹介します。

まず「デザイン思考」は人間中心の発見プロセスだということ。

そして、モノやサービスを単に発明するだけでなく、それを活用できる市場だったりシステムも同時に創造しなければいけないということ。

また、イノベーションには二つの役割があるということ。

1つは経済的に豊かにすること、もう一つは社会課題の解決に貢献すること。

デザイン思考はこの両方を可能にすること。

その一方でデザイン思考を成功するためには、組織のあり方、リーダーのあり方に戦略が必要なこと。

この論文集で特に注目すべきは、イノベーション理論の開拓者クレイマン・クリステンセン教授の‟Jobs to Be Done”という論文のようです。教授の著書『イノベーションのジレンマ』は名著で是非読んだ方がよいと私の友人が勧めてくれました。今後改めてご紹介したいと思います。

とりわけ私が関心を持ったのは「リバース・イノベーション」です。皆さんはご存知でしたか。わたしはこの言葉を初めて知りました。

これを成功させるには、いくつかの落とし穴を回避しなければならないようですが、これこそデザイン思考の出番のようです。注目のトピックスだと思いました。

そして、誰にとっても「失敗」は受け入れがたいものである。「失敗」から学び、それを活かすにはどうすればよいのか?是非参考にしたいです。

「イノベーション・カタリスト」とは?聞きなれない単語だったので調べてみました。

「カタリスト」とは、もともと化学反応を促す「触媒」をあらわす単語で、転じて「金融市場で相場を動かす契機となる材料」(ウィキペディアより)を意味するそうです。

一通り、ざっと読んでみた感想としては、やはり文化の違いもあって、じゃあ日本流デザイン思考ってどうなの?と正直なところ、まだしっくりこないところもあります。

日本企業が実践したデザイン思考の論文もあるそうなので、時間があれば探してみたいと思います。

それと、やはりデザイナーの思考がまだイマイチよくわからないというのも、理解しづらい理由の一つだと思います。

そこで次回は原点に戻って、私たちも『デザイン』を体験できる、素晴らしい本をご紹介したいと思います。よかったら次回もお立ち寄りください。

【ご参考までに】

デザイン思考の手法について、具体的に書かれたテキストがご希望の方は下記の本もご紹介します。私はまだこれを活用する場がないので、本棚に眠ったまま、まだ読んでいません。

でも、見た感じだとイラスト付きで詳しく書かれていて役に立ちそうですよ。

アネミック・ファン・ブイエン他編/ 石原薫訳

“DELFT  DESIGN  GUIDE デザイン思考の教科書 

-欧州トップスクールが教えるイノベーションの技術“

                 (日経BP社, 2019年, ¥2,400)

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<整理術>

今回ご紹介する本は

外山滋比古(著)『思考の整理学』(ちくま文庫, 2020, ¥520)

思考の整理学 (ちくま文庫) [ 外山 滋比古 ]
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皆さんは「飛行機」タイプですか?それとも「グライダー」タイプでしょうか?

本書は冒頭からドキッとさせられます。おそらく大学生に向けて書かれた本なのでしょう。

書店の広告にも「東大生・京大生に一番読まれている本」というキャッチフレーズが書いてあったと思います。

それでは、著者のプロフィールをご紹介しましょう。

外山滋比古氏

東京理科大学英文科卒業

『英語青年』編集長を経て、東京教育大学、お茶の水大学で教鞭をとる。

 2020年7月30日死去

この本は知の巨人と言われた著者の実体験に基づく「思考法」であり、「発想法」そして「思考の整理術」が書かれています。私が紹介するまでもなく名著です。

大学生向けに書かれているかもしれませんが、アイデアを生みだすヒントもたくさん書かれていますし、大学生でなくても、とても参考になると思います。

私くらいの年齢になると、著者のおっしゃることが「なるほど、確かに」と共感できる部分が多々あります。大人になっても、私のように資格試験やお仕事の関係で勉強を続けていらっしゃる方にも参考になる一冊だと思います。

【ご参考までに】

「発想法」に関連して、下記の本もご紹介いたします。

川喜田二郎(著)『発想法 -創造性開発のために』(中央新書, 2019, ¥720)

発想法 創造性開発のために[本/雑誌] (中公新書) / 川喜田二郎/著
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KJ法(断片的な情報・アイデアを効率的に整理する目的で用いられる手法)を考案された川喜田二郎氏の著書です。

ただ、かなり難易度が高く私は読み切ったものの、途中から理解できなくなりました。習得できれば強力なツールになるだろうなという気がします。

ご興味があれば、試し読みしてみてはいかがでしょうか。

Youtubeにこの本を解説されているサイトもあるみたいですよ。

 ここまでで、私が問題解決に役に立ちそうだなと思う本は一通りご紹介できました。

ここからは、少し内容も難しくなります。私の本棚には、まだたくさん手つかずの本が眠っていて、さらに新刊も入手していこうと思います。

 もし、もっと問題解決の本を知りたいという好奇心旺盛で勉強熱心な方、まだまだ物足りないと思う方は、是非一緒に勉強していきましょう。

ここまでお付き合いいただいた方、ご紹介した本から問題解決のヒントが見つかったでしょうか?参考になりましたら、幸いです。

次回の予定ですが、いよいよデザイン思考の教科書(論文集)をご紹介しようと思います。

私もこれから読み始めるところです。受験勉強の隙間時間に読むので、時間がかかると思います。

それでは今回もご訪問いただき、ありがとうございました。

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<ノート術>

今回はお勧めの本を2冊ご紹介したいと思います。

ます一冊目は 

高橋政史 (著) 『図解 頭がいい人はなぜ、方眼ノートを使うのか?』

(かんき出版, 2017年, ¥1,000)

図解頭がいい人はなぜ、方眼ノートを使うのか?[本/雑誌] / 高橋政史/著
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私の子どもの頃はノートといえば小学生なら「ジャポニカ学習帳」、中学生になっていわゆる「大学ノート」、“罫線ノート”のことですね。”大学”という言葉に、なんだか大人になったような喜びを感じていました。

最近のノートはバリエーションが非常に多くて、しかも進化していますよね。うちの家族はみな文具好きで、それぞれにこだわりを持っています。筆記具は充実しているお店が多いのですが、ノートに関しては使用用途に応じてお店を掛け持ちします。

たかが「ノート」、されど「ノート」ですね。

そんな文房具好きの私が書店で目を引いたのが、この本でした。ノート術の本は他にも何冊か持っていますが、この本は違っていました。そう、サイズがノートと同じA4サイズなのです。

 前回の予告で触れましたが、この本を紹介したビジネスマンも研究者も大変喜んでいました。大ベストセラーなのも納得です。学生のノートの使い方も紹介されているので、お子様がいらっしゃる方、学生さんも必見です。確かに優秀な友達のノートは違いますよね。

この本は、とにかくイラストによる図解が非常にわかりやすいです。確かに中高生の時にこの本に出会っていたら、もう少し違う人生を送れたのかもしれません。もちろん実践できたかどうか自信がありませんが。ノートの活用の仕方が上達すれば、その効果は大きいと思います。

 この本におけるノートの活用を目指すところは「人生のステージを変えるためにノートを使うこと」(本書P.9)だそうです。

 残念ながら、私の場合はこのノート術を活かせる仕事にまだ就けていないのですが、いつか私も仕事でつかえる日が来ることを期待しています。

実は高橋氏の別の本も注文したばかりで、そちらの方もかなり関心があるので、また改めてご紹介したいと思います。

2冊目にお勧めの本は

コクヨ株式会社(著)『コクヨのシンプルノート術』(KADOKAWA、2017, 1,400円+税)

こちらの本も、「方眼ノート」も含めて色々なノートの活用術が紹介されています。

さすがノートのプロが勧めるだけあって、その活用例は実に豊富です。

そして何より「ノート愛」であふれています。

こういう風に使うと、こんなメリットがあるということを丁寧に説明されています。こちらの本は、ノートの活用の可能性を広げてくれると思います。

ノートの活用術に関心のある方はお勧めの一冊です。

では次回の予告ですが、また寄り道をして「整理術」についてご紹介したいと思います。

だいたいこれで予定していた本は一通りご紹介できたと思うので、今後はデザイン思考と

ロジカルシンキングの本をご紹介しながら、イノベーションに向けてまっすぐ進行していく予定にしております。速度はかなり遅くなると思いますが、気長にお付き合いいただければ幸いです。

それでは、もし次回のテーマにもご興味があればまたお立ち寄りください。

お付き合いいただき、ありがとうございました。

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<クリエイティブなオフィス>

今回ご紹介するのは、

雑誌 ELLE DECOR, no.148 February 2017 ‟こんなオフィスで働きたい! “

雑誌 CASA BRUTUS, vol.218 May 2018 ‟WORK IS FUN!

雑誌 ‟CASA BRUTUS, (特別編集) July 2019

デザインのいい仕事場2.5WORK IS FUN

関心のある方は、下記のサイトからバックナンバーをご購入いただけると思います。

試し読みができるサイトもあるかもしれないです。

https://www.fujisan.co.jp/product/251/b/list/?year=2017 (ELLE DECOR)

https://www.fujisan.co.jp/product/1217008/b/list/   (CASA BRUTUS)

スターバックスなどですっかり見慣れた光景になりましたが、スーツ姿でパソコンを開いてお仕事をされている方々、絵になりますよね。

そんな光景を横目で見ながら、ふと思ったのですが、もしかしてこういうお店の内装だったり、照明だったり、音楽だったり、ソファーだと、リラックスできて仕事が捗るのかなと。

今回ご紹介する雑誌には、フェイスブックなどの海外企業やラスクル、スノーピークなどの日本企業のおしゃれでクリエイティブなオフィスが掲載されています。

唐突にオフィスに関する雑誌を紹介しましたが、実はこれもイノベーションと関係しているみたいですよ。興味のある方は、このブログの第一回目でご紹介した

トム・ケリー&ジョナサン・リットマン(著)鈴木主税(訳)『イノベーションの達人!』

第8章 舞台装置家(p.215~p.237)をお読みいただけると、その理由をおわかりいただけると思います。

とはいうものの自分の都合で勝手にオフィスを改装することは難しいですよね。まずは自宅の仕事スペースにアートのポスターなどを飾ってみたり、観葉植物を置いたりといったところでしょうか。

次回は再びロジカルシンキングに関する本をご紹介しようと思います。関心のある方は、よかったらまたお立ち寄りください。

それでは、お付き合いいただきありがとうございました。

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<世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか>

予定では滝本哲史氏の作品をご紹介する予定でしたが、諸事情により予定を変更して

今回ご紹介するのは

山口周 (著)『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?

      -経営における「アート」と「サイエンス」』(光文社, 2018年,¥760円+税)

世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか? 経営における「アート」と「サイエンス」 光文社 山口周 / 光文社新書【中古】afb
価格:500円(税込、送料別) (2023/8/6時点) 楽天で購入

すみません、滝本氏の作品はまた機会を改めてご紹介したいと思います。

 ご紹介するこの本はベストセラーなので、ご存知の方も多いのではないでしょうか。この本を買ったのは、3、4年前だったと記憶しているのですが、当時は趣味で「デザイン」とか「センス」に関心があり、それに関連する本を探していたところ、この本のタイトルに目が留まり、「世界のエリート」という言葉が気になり買ってみることにしました。半分は興味本位でしたが、いざ読んでみると作者の山口氏の知識の膨大さに圧倒されました。説得力のある論理展開で、そういう見方もあるのかと感動しました。この値段で、こんなに盛りだくさんの情報と知識を習得できていいのだろうか?と値段と価値のアンバランスさを感じました。

順番が前後しましたが、著者のプロフィールをご紹介します。

山口 周

慶応義塾大学文学部大学院文学研究科美術史学専攻修士課程修了

電通、ボストン・コンサルティンググループ等を経て、現在はコーン・フェリー・ヘイグループのシニア・クライアント・パートナー

今回このブログを書くにあたって、久しぶりにこの本を読み返してみたところ、「イノベーション」のことや、「デザイン思考」のことも書かれていたので驚きました。デザイン思考に関する本を読んだのはこの直後だったのですが、あまりの膨大な情報に消化不良だったのかもしれません。

この本はタイトル通り、「世界のエリートたちがなぜ「美意識」を鍛えるのか?」色々な角度から解釈をしています。イノベーションにご興味をお持ちの方には、是非お勧めしたい一冊です。

余談ですが、美意識を鍛えるために美術館に足を運ぶのは理想ですが、時間もお金もかかりますよね。私もセンスを磨きたいと思っていて、お勧めは例えばテレビ東京の「新美の巨人たち」などを鑑賞するのもいいのかなと思います。

それでは今回もご訪問いただき、ありがとうございました。

ご参考までに、山口周氏の本で、他に私のお勧めの本もご紹介します。

山口 周 (著)『外資系コンサルが教えるプロジェクトマネジメント

(大和書房,2021,¥1400)

次回は「美意識」にちなんで、クリエイティブなオフィスについてご紹介したいと思います。(雑誌です)

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<ミライの授業>

今回ご紹介する作品は

滝本哲史(著)『ミライの授業』(2016年, 講談社, ¥1,500)

ミライの授業 [ 瀧本 哲史 ]
価格:1,650円(税込、送料無料) (2023/8/6時点) 楽天で購入

私の場合、素晴らしい本に巡り合えたなと思うと、その本をどこで見つけたかとか、その時の映像が記憶に焼き付きます。この本は、あとで知ったのですが著者の滝本氏がお亡くなりになった後だったこともあり、いかにも書店の推しの本だとわかるように積み上げてありました。目にした瞬間、シンプルな表紙のデザインながら、なぜか印象に強く残りました。きっと「ミライ」がなぜ漢字の「未来」じゃないのかといった、些細なところに違和感を持ったからでしょう。開いてみると、どうやら伝記が書かれているらしく、うちの子どもたちが興味を示すとも思えず、私も子どものころは伝記をたくさん読みましたが、さすがに大人になって読みたいと思わなかったので、その日はそのまま帰宅しました。

ところが、家に帰っても不思議にあの本の表紙が目に焼き付いていて、気になってアマゾンのレビューを確認したところ、「感動」という言葉と絶賛のコメントが多数寄せられていました。そして、作者がお亡くなりになったこと、しかもNHKで特集されるほど影響力のあった方だと知り、翌日慌てて購入しました。

本を内容については、レビューがたくさん書かれていて、皆さんの方が私よりもはるかに上手なので省略しますが、この本に出会えてよかったし、滝本氏のことを知ることができてよかったと思います。安っぽい言葉ですが、読み終えた後「震えました」。読み終えてすぐに滝本氏の本が他にも出版されていないか探して、何冊か購入しました。

残念ながら、まだ一冊しか読み終わっていないのですが、次回も滝本氏の本についてご紹介したいと思います。

それでは、改めて著者のプロフィールをご紹介したいと思います。

滝本哲史氏

東京大学法学部卒業後、同大学法学政治学研究科助手を経て、マッキンゼー&カンパニーに転職。その後独立。

元京都大学産官学連携本部イノベーション・マネジメント・サイエンス研究部門客員准教授。エンジェル投資家(創業間もない企業に対し資金を供給する投資家)でもあった。

2019年8月10日にお亡くなりになりました。

もし子どものころにこの本に出会っていたら、大学生に戻ってうちの大学でも滝本氏の授業を聞けたなら、タイムマシーンがあればなと思えるくらい、影響を受けました。

我が子は、まだ間に合うのだからとやや強引にこの本を読むように勧めたところ、本をあまり読まない子が黙々と集中して読んで、最後は鼻をすすっていました。こんなに素晴らしい人がこの世を去ってしまったという悲しみと、この人の本をもっとたくさん読みたかったのにという悔しい気持ちは同感です。この本を読んだうちの子は、それまで漠然とした夢をもってはいたものの、それ以来熱く夢を語るようになり、その夢を実現するのにどうすればよいか、具体的に考えるようになりました。この本の影響は確かに大きかったです。

この本は中学生(14歳)に向けて語りかけていますが、かつて14歳だった大人にもメッセージを投げかけています。いくつになっても夢をあきらめなくていいというメッセージに私も大変励まされました。

私は今、弁理士試験にチャレンジしています。このブログでは今のところ問題解決に焦点を当てた本を紹介していますが、目指すところは「イノベーション」です。私はイノベーションを起こすことはできませんが、「イノベーション」を起こす人たちの応援というかサポートをする仕事をしたいと夢見ています。問題解決は、そのツールだと思っていますが、その先に何かが広がっていくかもしれないとも思っています。

「イノベーション」に関する本もいずれ紹介していきたいと思っていますが、そこにたどり着く前にたくさん寄り道をするかもしれません。

それでは、今日はこのあたりで。

最後までありがとうございました。

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