みなさん、こんにちは。
久しぶりの投稿になります。
みなさんは、いかがお過ごしだったでしょうか?
私は3連休は、子どもと料理を作りました。
あさりのパスタと、ナスとひき肉のカレーを作りました。
野菜嫌いであり、みじん切りで手を切るのではないかと
いう過保護な発想から、無印良品の「みじん切りチョッパー」
を購入しました。
ところが手を切ったのは私の方で、うっかり刃を触ってしまいました。
心臓より上に指をあげて止血して、傷もほんの少しだったのですぐに
治りました。
子どもは器用に使いこなして、野菜を見ごとに木っ端みじん切りにして、
いつもよりおいしく出来上がったみたいです。
さて、今回ご紹介するのは
加藤 崇(著)『水道を救え―AIベンチャー「フラクタ」の挑戦』
(新潮新書, 2022年, 780+税)
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「蛇口をひねれば当たり前に水が出る」。これがもしかしたら、
当たり前でなくなる日が来るかもしれない。
にわかに信じがたい話ですね。
でも、それを裏付ける根拠が書かれています。
読み進めるにつれて、これは大げさな話ではないかもしれない、
そう思えてくるのです。
それでは、ここで著者のプロフィールをご紹介しましょう。
加藤 崇(氏)
早稲田大学理工学部応用物理学科卒業
元スタンフォード大学客員研究員。
東北大学特任公寿(客員)
2015年に「フラクタ」をシリコンバレーで創業
(CEO)に就任
さて、「水道」にどんな問題が起きようとしているのでしょうか?
日本は他の諸外国に比べて、水環境にとても恵まれていますし、
よほどの災害が起きなければ、さほど水道のトラブルが頻繁に
起きることはないように思うのですが。
しかし、日本の水道管の総延長して地球17周分のうち4週分は法的
提要年数の40年を過ぎていると算定されます。
つまり、交換が必要なのです。
しかし、これは単純な問題ではありません。
地中に埋められた水道管は、材質や地質、環境に
よって大きく寿命が異なり、交換の優先順位を
見極めなければならないからです。
加えて、少子高齢化による人口減少も追い打ちを
かけます。
水道の維持にかかる費用を負担する人口が減るのです。
こうした問題の解決に挑むのが、本書の著者である
加藤 崇(氏)率いるAIベンチャー「フラクタ」です。
「フラクタ」は、「環境ビックデータとAIを用いた水道管路
劣化診断技術を提供する」(p.194)企業です。
果たして、「フラクタ」は私たちの救世主になれるのか?
フラクタは、米国や英国でも事業を展開しており、
日本においても、いくつかの自治体の水道局等にサービスの提供を
しています。
その効果が表れるのには、おそらく時間がかかることでしょうし、
現時点で「救世主」になれるかどうかは明確にはわかりません。
また「水道の民営化」についても、頭をよぎるかもしれませんが、
これもまた一筋縄ではいかないようです。詳細は本書をお読みいただけると
よいかと思います。
水道に限らず「公共インフラ」の問題は、とても難しいことを知ることが
できました。そこをあえて果敢に挑む著者の加藤氏の、勝負勘というか
嗅覚の鋭さを感じます。
自身の生い立ちも紹介され、逆境の強さ、使命感、熱血感が伝わってきます。
課題解決をビジネスにと考えるのであれば、人の心を動かす情熱と使命感がなければ
いけないのだと感じました。
また経歴や、いきなりシリコンバレーで起業するのですから、ただものではないことも
よくわかります。
私たちが求めている起業家であり、イノベーターだといえるでしょう。
本書は、ボリュームは多くありませんが、中身は非常に濃密でぎっしりと
情報や戦略が詰めこまれています。
みなさんにとって、これが日本の水道の現状と未来を考える機会となれば
幸です。
次回はハバードビジネスレビューを読みたいと思います。
それでは、また。