みなさん、おはようございます。
休日にもかかわらず、早朝に目が覚めてようやく本を読み切りました。
今日ご紹介するのは
日経MOOK「食と農の進化-持続可能性と生産性の両立へ」(監修アクセンチュア)
(日本経済新聞出版, 2022, ¥1,980(税込))
この本(ムック)との出会いも、思い出深いです。
以前記事に書いたのですが、その日は書店に行くのが乗り気でなかったのですが、
相方に誘われて、それならば今回は相方の後を付け回して、普段行かない
理系コーナーに足を踏み入れてみようと企てたわけです。
なるほど、確かに普段お目にかからない本を目にしました。
そんな中でふと足を止めたのが「農業」関係のエリアだったと思います。
あ、いいよ、先に行っといて。
確か雑誌が置かれていたコーナーだっだかな。
この本が目に飛び込んできました。
すっと「農」と「社会課題」をテーマにした本が欲しいと
思っていたところでした。まさかこんなタイミングで見つかるとは!
それも、アクセンチュア監修とは、これはますます興味深い。
実は「社会課題」をテーマに本を紹介しようと思ったとき、
一番関心があったのは「農業」でした。
でも取り掛かりが難しいなと。
この本は、取り掛かりにちょうどいいと思います。
さて、私も農業に関して全く知識がありませんが、それでもなんとなく
「気候変動」「後継者不足」「燃料や飼料の高騰」「環境負荷」
「増大する世界の人口・食料需要」といった深刻な問題に直面しているということは
見聞きします。
本書は全体を通じて、こういった課題に今最新のテクノロジーが
どんなふうに貢献できるのか、幅広く紹介しています。
本書によると、「2017年、ダボス会議で共有されたレポート
「Better Buisiness Better World」では、食と農の分野の
課題解決は2.3兆ドルの新たな市場機会を生み出すと
試算されている」そうです。(p.68 内田悠介 文)
まさに大きなビジネスチャンスです。
本書でも、日本ハムさんをはじめ、「食」の社会課題に
取り組む日本企業を紹介しています。
KDDIさんのように、異業種から養殖事業をサポートされる
事例も紹介されていて、大変興味深いです。
また、「食の課題」を理解する上で大切なことは、
まず「食の歴史」を知ること。
そして私たちの「食需要と消費ニーズ(p.19)といった食生活の変化」
を知ることが重要だと思いました。
そして、「農業」というと、私たち消費者にとっては
どこか遠く感じるかもしれません。
みなさんもよくご存知の「アグリカルチャー」という英単語。
実は「アグリカルチャー=農業」ではないそうです。
「アグリカルチャー」は農的な営み全般を示す言葉で、元々日本人の
生活の中心にも位置していたもので、自分に必要な量の作物を育て、
大部分は自分たちで消費するが、コミュニティーにシェアする形で
営まれてきた」(p.34)
そう教えてくださるのは、プランティオCEOの芹澤孝悦さん。
芹澤さんは、ビルの屋上などに畑を設けて大都会の真ん中で
農を営む「アーバンファーミング」を運営されています。
家庭菜園を超えて、みんなで楽しく野菜を作る。しかも
テクノロジーを使って。
面白そうな取組みですね。
ところで、本書をご購入された皆さん。
よかったら蛍光ペンと定規を是非準備してみて下さい。
本書は、最新のテクノロジーに関するワードで溢れています。
例えば「細胞農業」(p.70)とか「サイバーフィジカル農業」(p.72)など。
こういう最新の用語を知っていたら、ちょっと自慢できそうではないですか?
本書は、農林水産業の方々から、様々な企業の方がた、地域産業を発掘する
プロデューサー、はたまた農業高校など、様々な立場の方々に取材されていて、
偏りなく広範囲な情報を得ることができて、着眼点も非常に面白いなというのが
感想です。
個人的には、農業高校に関心があります。
可能なら取材させていただきたいくらいです。
次世代の農業を担う若者たち。
農業の知識だけでなく、ビジネススキルを学ぶことも必要とのことですが、
SNSを使った発信力のある若者たちが、将来日本だけでなく海外に向けて
どんな事業を展開してくれるのだろう?
AIやIOTを活用した新しい農業にも期待が膨らみます。
本書を読み終えて思うことは、これまで幾多の困難を克服しながら
美味しい農産物を生産していただいた農家の方々と
新しいテクノロジーをどのように融合させることができるか?
ということ。
水と油であってはいけない。
うまく混じり合うにはどうすればよいのだろうか?
結局テクノロジーの進化よりも「ひと」とのつながりをどうするかが
一番難しい。
さて、次回は再びイノベーション編に戻りましょう。
テクノロジーの歴史。「科学史・技術史」を読もうと思います。
アニメ「スラムダンク」も、桜木花道の成長とともに私の応援に熱が
入ってきました。
「いけー!」「よし!」拍手!!
近くにいたうちの子が「感情移入しすぎ」「は?泣く?」
冷めたコメントをして、呆れています。
家族は一緒に見てくれないのが残念です。
さて、今日は夏野菜をたっぷり食べよう。
それでは、よい休日を!